「その1」につづいて伊那街道の旧道をたずねます。

その2では江戸時代以降の伊那街道の一部「アンザの坂」の様子をご報告します。
このルートの探索は北の田口地区より南下しています。


さて国道257号線を登り田口の町に着きました。
アンザの坂は与良木峠の北、清崎から田口への片峠で
現在の国道257号線の西側の沢伝いにあります。
まず、田口から旧道入口の部分を探して道に迷います(今日は本当についていない)。
国道から、第一候補の林道 「本町萩平安沢線」に入ってみます。
結果的には、ここが伊那街道で間違いなかったのですが、街道はこの林道からすぐ途中で
左手に別れていきます。
ところが標識もない、民家の間の、ごく細い道で気がつきませんでした。それで、そのまま、
山林に迷い込んでしまいます。
道もなくなり山林に入ると、人が歩いた跡が続いています。自転車を置いて、あちこち、
偵察に行きますが、どう考えても地形が違います。林道を少し戻って別の道を探します。
やっと見つけた街道は第2候補の「上原根ノ後林道」から入ったところでした。

現在の田口は役所も置かれ、このあたりの中心地となっていますが、江戸時代には、
このあたりは高原湿地?だったという話も有り「田口」の地名はなかったそうです。
そうはいっても萩平、中嶋、東路、西路という四ヶ所に別れた地名だったという
明治の初め頃には馬宿が7軒ほどあったそうで、やはり、にぎわった町だったようです。


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田口から、ほとんど標高を稼がずに、すぐに峠がありました。ここからが
「アンザの坂」とよばれる、いわゆる片峠です。
ただ、アンザの坂は峠道全体の呼び名ではなく、後述の途中の部分を呼ぶとの説もあります。


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峠から南に少し下ると、道端に、こんな石仏がありましたが残念ながら
年号などは確認できません。


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石仏のすぐ近く、道から少し入ったところには、祠に入った石仏がありました。
この石仏は何を祭っているかわかりませんが、まわりが湿地帯で水源のような地形ですから
それに関係する物かもしれません。


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峠から舗装の林道を下っていくと右に分かれる旧道があります。
分かれ道から石畳になっていますが入口付近は平成になってから石畳を
整備しなおしたとの事でした。
そこから100mちょっと下ったところ、あたりから当時の石畳がそのまま残っています。
これは江戸時代頃、峠道の難所を人馬が通りやすくするように石畳に
整備したところだそうです。
この石畳あたりを「アンザの坂」と呼ぶという意見もあるようです。
(いずれにしてもアンザの意味は、自分には不明)


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結構、石畳が荒いところもありますが、ここはかなり綺麗な石畳になっています。
沢に沿っていますので、大雨などの時や長雨の後は通行に支障が出たとも考えられます。


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人馬の通行の為に整備した石畳だそうですが
「靴底に金具の付いたMTBシューズとクロカン車」には、あまり優しくない道でした(笑)。


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ここが「大曲り」と呼ばれる、難所です。ヘタな画像で判りにくいですが
画像の右側下手前から登ってきてカメラの前でぐるっとカーブして画像左に一旦より
右上へと登ります。
そこから、また折り返して画像上部左側へと道が抜けています。
狭く、険しいので荷物を積んだ馬も大変だったでしょう。


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「安沢の石橋」というところです。
沢を平らな大石で橋にして渡っています。
画像は橋の下が真っ黒ですが、これは上流側に木の枝などがひっかかり
ふさいでしまっている為です。


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橋の近くで、おもしろい植物を見かけました。
サトイモ科の植物「マムシ草」の種子だと思います。


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あまり尋ねる人もないのか結構、道は荒れています。
倒木の下に風化してしまった馬頭観音などもあります。


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途中、所々、広い道が残っています。
このルートで一番状態の良いところはこんな感じです。
この後、下ると、また道が荒れてきます。


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途中、東側の沢に、簡単な橋がかかっていますが、どんどん旧道跡を捜して沢伝いに
下ります。
この辺りから、かなり荒れて道がほとんど消えかかっています。踏み跡も、
判らなくなくなるところもあります。
「あれー前方に堰堤が!!なんで!!」
堰堤の先にも、わずかな道跡がありますが、旧街道の跡ではないようですし、
(堰堤下から、しばらくは旧街道の跡は失われている様子)
自転車を持っていけるような傾斜ではありません。
ここで、先ほどの橋の意味がわかりました。
あの橋で現在の国道に出ろ、ということですね。とほほ。


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やっとのことで橋まで戻りました。
ここから、国道まではかなりの急斜面で自転車を担いでなくても楽ではありません。
自転車を引きずるようにして、必死で登っていきます。
国道に出て南に下れば、すぐに清崎の町に着きます。
現在の国道にあたる道は明治時代に清崎から田口まで改修されたとの事なので
その頃から今回下ってきた石畳のある旧街道は使われなくなってきたのかもしれません。


さあ、清崎の町から今度は与良木峠に向かいます。

その模様は その3にて。