随分間が開いてしまいましたが、サンツアーRDのお話、第4弾です。

今回出てくる変速機を使った事がある人は、あまり多くないでしょうね。



このシリーズ(書庫 サンツアーのはなし)はコルサが、これまでに集めた部品を・・・
手持ちの整理のついでに紹介させていただこうという企画です。
思いついたままに書いているコメントの中には私の勘違い、間違いも
あるかもしれませんが温かく見守ってやってください(笑)。
(間違いなど、ありましたら、ご指摘いただければ幸いです)




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まずは「すーさん」からもリクエストのあったスキッター No.2200です。
これは、すーさんへのコメントにも書いたとおり、60年代から80年代まで販売された名品です。大手各社の完成車に多数採用されて日本に変速機を普及させたといっても良いのではと思います。
ぱっと見、あまり変わらないようでも、少しずつ改良されたようでもあり、多少、変化があるようです。
ちなみに、画像の物は60年代初期のモデルではないかと思います。
特徴は上部のフレーム取付部分が鋳造品?らしいこと。後期のモデルは鉄板のプレス製になっている。67年のパーツリストの写真では既にプレス製となっている。またパンタ部分の赤い色の部分も後期の物とは材質が違うように思います。
画像のサンプルはフレーム取付けボルト等が失われているのが残念です。
この変速機はワイヤーを緩めるとローギヤ側にチェンジするローノーマルタイプ。
またリターンスプリングとテンションスプリングが一つの物で兼用?されている。
後ろにあるパッケージは、ごくごく後期の物で本体とは時代が違うと思います。
でも、このパッケージデザインは、なかなか格好いいですね。

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グランプリRD No.2300
これも60年代の製品。一説によると1963年販売とのことですが、このモデルに採用された「スラントパンタ方式」のパテントはサンツアーの優れた特徴で、ずっと継承されました。
そのパテント期間が切れたあとシマノ、カンパもスラントパンタ方式を次々採用しました。ただ、その発案者であるサンツアーが時代の波にのまれて消えてしまったのは残念でなりません。
パッケージはオリジナルの元箱です。
これもローノーマルの変速機。

このグランプリをトップノーマル化してレース用としたコンペティションというモデルもありました。
(残念ながら、現在、手持ちがありません)

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前述したコンペティションの名前を持つが、画像はコンペティション ツインNo.2500というモデル。
ツインの特徴は作動方法で、これについては、あとで解説させていただきます。
この画像で、注目していただきたいのはプーリケージ。

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このケージはネジによって長さが調整できキャパシティが変更できるようになっている。
67年サンツアー総合部品単価表によると「アジャスタブルガード」という名称で紹介されています。
単価表にはグランプリRDにセットした画像が載っています。
なお、はっきりしたことはわかりませんが、どうもプーリーケージ一式の部品で販売されていたようです。
箱は別々に入手した物で元箱ではありません。時代も少しずれているような気がしますね。

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これが先にでたコンペティション ツインの箱入りセットです。
大きな化粧箱に入ったFD以外のフルキットになっています。
この変速機については ニューサイクリング誌別冊「ディレイラーコレクション 81」の191ページに渡辺裕雄氏が記事を書かれています。その記事の中に「当時としてはユニークな大きな化粧箱・・・」という記述があったのですが、数年前、このパッケージ(日焼けしていましたが)を手に入れて初めてその意味がわかりました。
とあるショップの棚に、ほこりにまみれて置かれていたのですが、この箱が自転車部品の箱だとは、ずっと気が付かず、随分、後になって手に取り、あけて見た時は、驚き嬉しかったですね。

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RD、WL、特殊なワイヤーリードなどのフルセットになっています。
画像にあるワイヤーはFD用ワイヤーで残念ながら特殊なリヤワイヤーは紛失していました。
タンデム用の長いシフトワイヤーを探してくれば使えそうだと思うのですが。

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コンペティション ツインの特徴について。この変速機はリターンスプリングがない。
ロー側、トップ側いずれに変速するのにも強制的にワイヤーで引くことで変速します。

RDからワイヤーの一端が前へ伸び、シフトレバーを通り、また、折り返して
RDまで戻る。ワイヤーの両端はRDでそれぞれ固定されています。途中WLでも一ヶ所固定しておきます。
これでロー側、トップ側いずれもワイヤーを引く力で変速するんですね。


今まで、ご紹介したRDは60年代中頃のものだと思われます。
(いずれも67年サンツアー総合部品単価表に画像が載っている)
最後にご紹介するのは、いわゆる「タケノコ変速機」といわれる物です。

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サンツアー ワイド(WIDE)と言う名称の変速機です。
右はエンドに直接はさみこんで固定するタイプ。
左はフレーム(チェンステイ)に取付台座を用意して直接取り付けるタイプ。
この変速機も形状、刻印の違いなど細かいバリエーションがあるようです。

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後部から見たところ。このスプリング形状からタケノコと呼ばれる。
プーリーケージはワイヤーを緩めた状態でロー側に寄るローノーマル。
中央にあるトグルチェーンにつないだワイヤーを引くことによってタケノコ型バネが収縮しトップ側にチェンジする仕組み。
このモデルにはテンションスプリングが内蔵されておらずプーリーケージに付けられた小プレートにコイルスプリングを取り付けBB後ろ側あたりから引っ張ることによりチェンテンションを得ていた。

コルサはこの変速機を装備した完成車を実際に2度ほど目にした事があります(写真ではなく)。
両方とも、アップターンハンドルだった気がしますが部品の雰囲気から完成車として市販された物のように思いました。
今考えれば、完成車で入手して動態保存しておけば良かったと思うのですが20歳代の初めの頃ですからね。


※今回で、とりあえずサンツアーRDの、話は一旦終わります。
  次回はFDかWLと来るのが普通でしょうが、ちょっと他の部品を取り上げて見たいと思います。
  特に理由はないんですが、たまたま、手持ちが判りやすいところに揃っていた物ですから(笑)