みなさんは、自転車をオーバーホールする際、ベアリングを交換しますか?

自転車の世界では、ベアリングはほとんど洗浄、点検だけで交換する人は少ないでしょうね。
選手の中にはホイールチューニングでベアリングを交換する人はいますけどね。

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さて、いきなり汚い画像ですみません。
昨年末、まとめて何台かの中古、大古?フレームがガレージに持込まれました。
BBがついているものは全部バラして使用、または保管しておくことにしました。

画像はBBのリテーナーとベアリングです。
古く汚れきったリテーナーは、そのままだと内側の粘土のようになったグリスがなかなか
除去できません。
そこでリテーナー枠?からベアリングをはずしてしまいます。
この状態でリテーナー枠を古い歯ブラシなどで磨けば比較的、簡単に綺麗になります。

以前はコルサもベアリングは洗浄して再使用していました。
ところがある時、こんなことを知人達にいわれてしまいました。

1 自動車修理業で自転車に目覚めた方
  「えー、自転車ではベアリングって再使用するの?」
  「車やオートバイはベアリングは消耗品で交換するんだけど」

2 ラジコンマニア
  「ラジコン競技ではレース用のベアリングは消耗品ですよ」
  「何度も再使用はしませんよ」

ラジコンはともかく、「車やオートバイより、自転車のベアリングの方が負荷が小さく
磨耗しにくいのでは・・・だから再使用するんだけど」、
としか返答のしようがありませんでした。


ちょうど、その頃、エコラン競技車輌のメンテの仕事を担当する機会がありました。
当時のエコラン車輌はトップチームでも自転車部品を流用しているチームが多くありました。
そのなかで自転車ハブのチューンが多くのチームで行われていました。
↓エコラン競技参考画像
http://www.toyohashi-cci.or.jp/kanko/eco-car/07HPPhoto/index.html

自転車ハブのチューンとしては下記のような事が行われていました。

1 「グリス抜き」といってグリスを完全に抜いてしまう。
  潤滑は走行前にCRC5-56かラスペネ(ワコーケミカルという会社の潤滑剤)を一吹きするだけ。
  ようするにグリスの抵抗すら記録更新の妨げになるという考え。

2 精密球といわれる高精度なベアリングに交換する。
  レース用自転車の部品でもベアリングのレベルが低いという考え。

ちなみに現在のエコラン競技ではトップチームになるとハブの自作は当たり前で
自転車ハブの流用は少なくなっています。
(アルミ削り出しのハブ本体に高精度シールドベアリングを圧入して製作、抵抗になるシールカバーは
除去してします)
トップチームに聞くと自転車のハブとして主流のカップ&コーンの形式は突き詰めていくと
抵抗が大きいらしいのです。
ただ、カップ&コーンはコストとのバランスの面から見れば、そこそこの精度で、
そこそこの性能を出す普通の自転車には好都合の形式らしいのですが。


話がそれてしまいましたが、この頃から頭の固いコルサもベアリングは交換するもの、
というように考えを切り替えました。
(レストアなどの際、古いベアリングを洗浄するのが面倒ということもある 笑)

早速、交換用ベアリングを入手する為、ベアリングメーカーに問いあわせてみました。
(もちろん、シマノなどの純正部品は買えるが、もっと高精度な物を安価で買いたかったので)
すると僅かな量をベアリングメーカーから個人で直接購入することは難しい事がわかりました。

それで、知人を通じベアリングメーカーの方を紹介してもらい相談してみると、
なんとか分けていただけそうです。
(それでも、奥の手?を使ってらしい)
ただし、最低でも「1ロット」単位でないと販売できないとの事でした。

コルサ     「1ロットってベアリングいくつくらいなんですか」
メーカーの人  「フロントハブ用で約5000個 リヤハブ用で約4000個ぐらいですね」
コルサ     「どへー、そんなに使い切れないよ」


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まあ結局、前後ハブ用1ロットずつ購入しましたけどね(笑)。
最初に購入したのが数年前で、昨年、また購入しました。
エコラン用、選手用として、かなり販売したのと、友人知人、自分用として使用していたら結構、
使ってしまいました。


購入したベアリングサイズは3/16、1/4の2種類です。
3/16はシマノのフロントハブ、1/4はシマノのリヤハブにそれぞれ適合します。
ちなみにカンパ レコードのフロントはシマノとサイズが違います。
また、1枚目の画像のBBリテーナーには通常1/4が適合します。
(チタンシャフトのBBは3/16のリティナーなしのバラ球が多い)
コルサは自分用のBBには面倒でもリテーナーの枠は使わず、いわゆるバラ玉で
組み立てる事が多いですね。
このほうが抵抗が少ないような気がします。
このやり方は競輪選手などにも多い方法です。
競輪選手に言わせると「リテーナーの枠とベアリングがこすれて抵抗になる」といいます。

ちなみにグリスはシマノのものを使う事が多いですね。
粘度(抵抗)が強すぎる気がしますが、それだけ油膜が切れにくいということでしょう。

現在はベアリングメーカーから、いただいたグリスをテストしています。
自転車専用として販売されているグリスでない物は案外、水の混入に弱かったり、
夏に乗っているとダラダラとすきまから流れ出てくる物が多いような気がします。
いただいた物は粘度がシマノより、かなり低い感じですが夏の時期にも
流れ出してくることはありませんでした。
これで、水の混入にも強いといいのですが。


下記は、初めてベアリングを1ロット購入した時にベアリングメーカの人に
聞いて作った「ベアリングの、お話」です。
興味がございましたら見てやってください。


球 ボールベアリングチューン

・当店では競技選手の、ご依頼で、ハブベアリングチューンを手がけております。

・ベアリングには、「G-28」というタイプを、ご用意しております。

さらに上の「G-20」という規格のベアリングを用意されている、お店もありますが、精密機械の世界でも、あまり流通しておらず、大変高価に、なってしまいます。

どんなに、高精度の物でも、使えば、精度は、落ちてしまいます。それならば、超高精度で、高価な物を長く使うより、精度はあまり変わらず適当な価格のものを、こまめに交換した方が、お客様にメリットがあると考えました。

・「G-20」と、「G-28」の精度の差はJIS規格で、ワンランク、数値上でも、

真球度で1万分の2ミリ(0,0002mm)以内、

表面粗度で、10万分の1ミリ(0,00001ミリ)以内です。

もちろん、両方とも通常、自転車に使われるベアリングに比較すれば、桁違いに高いレベルのものです。

・今回、メーカーさんの御協力で、非常に安価に、入手することが出来ました。

そのおかげで、デュラエースより、はるかに精度の高いベアリングを、デュラエースの補修部品より、お安く提供することが出来ます。



※ベアリングのみ販売の場合、

デュラエースの純正補修部品は1台分で 430円(送料など含まず)ですが

当店では(G-28)前後セット1台分    円です。



※ベアリング交換+ハブ オーバーホールの場合

[分解洗浄、点検、ベアリング交換、グリスアップ、組立調整]ベアリング代込みで、ハブ前後一式、    円です。(グリスはデュラエースを使用。他種グリス持込み可能)



※適応ハブ

現行シマノならロード、MTB、完組みホイールなど、ほとんど対応です。

また、従来型のBBにも、対応できるサイズが、ございます。



※玉受け研磨について (当店では、下記の理由で行って、おりません)

ハブ ボールレース(玉受け)の研磨については注意が必要です。

なぜならば、ボールレース全体が、一律の硬度を持っているわけではないからです。

通常、ボールベアリングに接する部分の表面から、何ミクロンかが高周波などで焼入れされ、その部分のみが必要な硬度をもっています。その硬い部分を削ってしまうと、当然、寿命が、著しく短くなってしまいます。