3月9日は大阪府高槻市のF氏を訪ねました。
F氏は熱心な自転車愛好家で、数年前、
シクロジャンブル(自転車のフリーマーケット)で知りあいました。

今回、高槻市を訪れたのはF氏を通じて購入した完成車や部品を引き取る為でもありましたが、
F氏宅の近所を散策、ポタリングするという目的もありました(もちろんF氏との自転車談義も)。



F氏のお宅から見えるところに「今城塚古墳」があるのは以前から知っていました。
今回は考古学好きのコルサの為に、F氏が案内してくださいます。
まずは「今城塚古墳」を歩いて一周します。
この古墳は子供の頃のF氏の遊び場であり近所の人の憩いの場ともなっています。

今回、F氏から聞いて始めて知ったのですが「今城塚古墳」は
現在の学説では「継体天皇陵」とされているそうです。
(以前、「継体天皇陵」と言われていた古墳は、「今城塚古墳」の西に数キロの位置にある)


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「今城塚古墳」は現在発掘調査及び公園化の工事が進んでいます。
地元住民からは「多くの予算を使い公園化することに反対運動もあったそうです」

コルサも千数百年の間に自然の林のようになり地元住民の散策、子供の遊び場、一部水田、
畑などになっているところを、あえて多額の予算を使って公園化する必要もないと思います。
そのまま、残す方法はなかったのかと考えてしまいます。
(多少墳丘が崩れようとも危険でなければ自然に任せて)


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公園完成予想図
今となっては、なるべく現在の姿(自然林)が残ることを祈るのみです。


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市民参加で作られたという、
①石棺(右端)
②石棺の蓋(中央)
③運搬に使われたと思われる木製そりの復元品(左端)
石棺などは市民参加で仕上げられ、木製そりを使って運搬する式典も開かれたそうだ。


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土手の上に見えるのは土砂の流失を防いだり墓域を荘厳に見せる役目の「円筒埴輪」のレプリカ。


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さて今度は自転車に乗ってポタリングです。
今回、コルサは帰りの荷物が積めないと困るので自分の自転車は持参しませんでした。
(完成車2台、フレーム2台、その他パーツ多数を持ち帰る予定)

F氏はBSモールトン、2台を愛用されています。
コルサは「モールトン スポーツ」タイプをお借りします。
この「スポーツ」は分割フレームではなく、部品も高速走行目的にアッセンブルされています。

リヤキャリア、マッドガードは標準では付かずBSM179のものを流用しています。
ちなみに「スポーツ」は追加モデルでBSモールトンの2車種めのモデルになります。


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もちろん、F氏のカスタムがいろいろ施されています。

もともとチェンガード付シングルギヤ(60T)でしたが、
裏から見るとインナーギヤが追加されています。
FDは付いていませんが、緊急事態?の際には手でチェーンを
掛けかえれば急な登りでも大丈夫です。
(フレーム形状からFDが追加しにくくBSモールトンにメーカーで
FDが付くようになるのはフルモデルチェンジ以降)


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サドルはオランダ製の革サドル、「レッパー」に代えてありました。
コルサは始めて乗りましたが、お尻が痛むこともなく馴染みました。


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バーエンドコントロールレバーは、「スポーツ」モデルでは純正です。
FDはないのでR用のみです(9速仕様)。


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F氏が乗ったBSM179(BSモールトンの最初のモデル)。

これは分割フレームになっています。
これも、もともとはチェンガード付フロントシングルですがインナーギヤが取付けられています。
立派なリヤキャリア、取付位置が独得なFキャリアは高価な純正オプション品です。
ちなみにフロントバックは「スイス陸軍自転車部隊」の物だそうです。

ステムがイギリス製の「スターメーアーチャー」に換えられているのは
「イギリスつながり」(モールトンの設計者はイギリス人)
を意識したオーナーの遊び心ですね。


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サドルはモダンなデザインの革サドルに変えられています。
「SELLE AN-ATOMICA」と書いてありました。
少し全長が長いのでポジションがいろいろ変えられるそうです。


ブリジストン モールトンには、ご存知かと思いますが前後に
サスペンション機構が組み込まれています。
フロントは樹脂?を圧縮するもの、リヤはゴムを圧縮する簡単な物です。
サスペンションの動きは最近の良く出来たMTB用の物にはかないませんが、
それでも十分な活躍をしてくれます。
小径車輪は小径ゆえ元来、強度が比較的高く乗り心地が悪い傾向にあります。
今回のコースは高槻市の市街地ですから、歩道、車道の凹凸など路面状況は良くありません。
こんな路面で小径車輪ですと乗り心地が悪い物ですがサスペンションの働きで快適でした。


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さてモールトンに乗ってついたのは「ハニワ工場公園」です。
ここは「埴輪」を製作していた窯跡及び工房の遺跡を公園にした所です。

画像は「埴輪」を製作していたと思われる工房の再現で、
柱跡、建物の埴輪などが残っている為、昔の実際の建物と大きくは違わないと思われます。


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こちらが、埴輪を焼いた窯の復元です。
その形状から「登り窯」と言われています。
下部で火を燃やすと熱が上部へと伝わって抜けていくので効率がよく
火力が比較的強いと聞きます。
この辺りには多くの古墳がありますから古墳で使われる埴輪を焼く、こうした窯が
他にもたくさんあったと考えられます。
また、当時の燃料は木材しかありませんから、まわりの森林は、
どんどん切り開かれて丸裸になっていったと思います。


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埴輪のレプリカ「馬」。
現在、馬と言うと競馬のサラブレッドのスマートな姿を思い浮かべてしまいます。
しかし当時の馬は小型で背もずっと低く脚も短かった筈ですから、こんな感じでしょう。
非常に優れた造形ですね。また良く見ると線刻により馬具が表現されています。


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「今城塚古墳」近くに展示されていた埴輪。
右、盾(武具)。
左、家、屋根が立派なので特別な家と思われる。




今回、F氏のモールトンをお借りして散策しましたが
他にも興味深い自転車を見せていただきました。
また、機会があったら紹介させていただくことにしましょう。



今回、行き帰りに開通したばかりの「新名神」を通ってみました。
(東名高速+伊勢自動車道+東名阪+新名神+名神)
実際の距離でも20キロほど近くなるようですし(新、旧)名神で車が分散するせいか
車の流れも順調で高槻市~豊橋間も、あまり飛ばさなくても(笑)3時間ほどでした。