メルシェ その4

今回はメルシェに使われている部品について見ていきます。

このメルシェ、最初(その1で)に意外に良い部品を使っていると書きましたが・・・
そのなかでもフランス部品だけでなくイタリア部品が、たくさん使われているのも特徴です。
(プジョーとは対照的ですね)



イメージ 1

フランスメーカー、中級クラス車の変速機といったら、これしかないですね?
サンプレックス スーパーコンペティション(クリテリウム)アンサンブルです。
FDは、その3にも書いたように当初はスライド式でしたがパンタ式の物に換えています。
(樹脂ボディ割れの為)

チェンホイールはストロングライト93D、太いクランクが好みの分かれるところですね。
プジョーなどのラインナップから見ると最高級車には93Dが使われています。
日本で人気の高いストロングライトと言えば49Dですが
ロード用としては93Dの方が上級のようです。
多分、49Dは5ピン式で小さなギヤも付くので、ツーリング派にも使い易いため
日本で人気が高いのでしょう。

ペダルはコルナゴから流用したカンパで、もちろんオリジナルではありません。
オリジナルのペダルについては、後で取上げます。


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フリーはフランスのアトムが付いていました。
もちろん、まだ5段仕様までしかない時代で歯数は14-16-19-21-23Tでした。
23Tまであるのが嬉しいですね(笑)
ちなみにプジョーの中級車PR-10では14~21Tでした。

ハブはカンパ レコード、いわゆる直レバーです。グリス穴をふさぐ
黒いバンド状キャップははずしてあります。
フランスには、あまり良いハブがありませんでしたが、当時、かなり高価だったはずの
カンパ レコードが使われているとは驚きでした。
ハブが出てきましたので続いてホイール関係を見ていきましょう。


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タイヤはメイド イン イタリーの文字が入ったユッチンソン CORSA LLGGEROです。
ユッチンソンは最近ではフランスメーカー(企業合併or吸収?)になり
日本の雑誌ではハッチンソンと表記されていますね。


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リムは「AVA」
赤いラベルにメイド イン フランスと書かれています。
フランス製のリムと言えば当時、日本ではマビック、スーパーチャンピオンが多く
流通していてAVAのリムは単体では、ほとんど見かけなかったと思います。

スポークは、この時代、普通のスチール製ですが錆びやすいのが困り物です。
手入れしにくい為、ステンレスに組み替えようと思いますが・・・・


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サドルはサンマルコのプラサドルが付いていました(クッションなし)。
横から見た形は、あまりカッコよくありません。
サンマルコのサドルと言えばロールスが出た80年代前後から多くの製品が
日本に輸入されていますが、このメルシェが作られた70年代前半頃には、
ほとんど日本に輸入されていなかったと思います。

ピラーはサンプレックスのバッジ付でした。これは貴重なものですがキズだらけで
涙、涙の状態でした。理由は多分、出荷時にピラーを目いっぱい奥まで
突っ込んで梱包したのでしょう。
画像では良く見えませんがポスト部最上部までギザギザにキズが入っています(泣)

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ピラーのキズは組み付け時、サドル高を自分のポジションに合わせた後、
フレームから出る部分を研磨してキズを目立たなくしています。
フレンチサイズのパイプの為、サイズは26.6ミリです。


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ピンボケで申し訳ありませんが・・・
ハンドルバーはチネリの(3本ローレット)、ステムは1A(旧ミラノマーク)です。
青く「8」と見えるのは突き出し寸法ですが赤の「22」(画像は、逆さま)と言う数字は何か、
お分かりになりますか?
実は、このチネリステム、フレンチサイズなんですね。
通常、日本、イタリアのステムはコラム径が22,2ミリになっていますがフレンチは22,0ミリなんですね。

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最後にペダル部分を紹介しましょう。
トウクリップは当時、フランスのスタンダード、クリストフ、トウストラップは、
ほとんど見かけない珍しい「C,T,S,I,コンペティション」と言う製品が付いていました。
さてペダルなんですが(やけに勿体つけてますが)
カンパのレコードハブやストロングライト93D(当時のストロングライトでは最高グレード)などが
付いていますからペダルは何か付いているのだろうと期待しながら新聞紙などをめくっていくと・・・



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非常に意外なメーカーのペダルが付いていたのです。
画像でも、お分かりになっていただけると思いますが非常に安っぽい作りです。
リオターでは、なさそうですが・・・

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なんと日本の三ヶ島製だったのです(笑)
それも廉価版の「NEW クイル」!ネジは、もちろん、フレンチです。
なんと、NEW クイルのフランス向け輸出品だったんですね。
せめてユニークが付いていれば(笑)
(でも、がんばってましたね、日本の三ヶ島!!!)


さて、最後に、このメルシェが作られたのは、いつ頃か考えて見たいと思います。
部品構成から推測して70年代中頃でしょうか?

手がかりとしてRDのプーリーケージにある刻印は「72」でした。
カンパ レコードハブのオーバーロックナットの刻印は「73」が3ヶ所、ひとつは「68」でした。
68は、たまたま箱の底にでもあった部品が出てきたのでしょう(笑)
これは無視してハブは73年製(場合によって73の部品で74年前半に組まれた)でしょう。

以上から、このメルシェが組まれたのは73年後半から74年頃
(部品製造から供給のタイムラグを考えても75年頃まで)ではなかったかと考えています。