今回、うちのガレージから探し出してきたサンツアー「ウイナー」シリーズ。

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前列、左が「ウイナーS 5速」(スチールスプロケット)
前列、右が「ウイナー 5速」(アルミスプロケット)

2列目、左が「ウイナープロ 6速」
2列目、右は「ニューウイナー 6速」(ゴールドスプロケット)

後列の4個は全て「ニューウイナー」です。


左から順に
5速(レギュラー)
6速(ウルトラ)
6速(レギュラー)
7速(ウルトラ)
以上のニューウイナー4種類はスプロケット構成はそれぞれ違うもののボディは
共通という特徴があります。
(次回、ご紹介予定?)

以上でサンツアーのウイナーの歴代主要モデル?はほぼ揃っていると言って
良いと思いますが・・・
(ウイナー、ウイナーSの6速仕様及びウイナープロのバリエーションは除く)

実は、もう一つ、私にとって幻の(大げさすぎるか)ウイナー?があります。
それは「ウルトラ-6」なのです。
「え、ウルトラ-6??ウイナーじゃないじゃん」と言われるかもしれません。
ところが・・・当時の雑誌広告などを見ると・・・
ウルトラ-6が2種類載っています。
それはパーフェクトタイプとウイナータイプです。
パーフェクトタイプ・ウルトラ-6の方は、しばらくの間、カタログに載り続けるのですが
ウイナータイプ・ウルトラ-6は短命だったようです。
その理由は・・・先に書いたとおり、その後、一つのボディで5速から7速まで
組み替えられるニューウイナーに取って代わられたからではないかと思われます。


さて、今回は前列の「ウイナーS」と「ウイナー」を見ていくことにしましょう。

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左がスチールスプロケットの「ウイナーS」右がアルミスプロケットの「ウイナー」です。
ウイナーがいつから市販されたのか定かではありませんが
73年頃のサイクルスポーツの広告には登場してきます。
(市販は、もう少し前でしょう)

余談ながら当時の広告に一緒に登場するのは・・・
FDのSL、そしてRD、Vラックスです。
ウイナーとラインナップするには少々見劣りするような気もしますが考えてみれば
SLはプレートに軽合金を使用していますしVラックスも一代前の「V」(主要部品の一部が、まだ鉄)
から全軽合金製に進化していますから、それほど不自然ではありません?
(サイクロンセットが出るのは、もう、ほんの少し後になる)

サンプルは、ともに5速使用ですが75年頃には両者とも6速仕様が追加されていました。
画像のウイナーは全てのスプロケットがアルミ製ですが75年のパンフレットには
5、6段用ともトップはスチールと書かれています。
ただ75年パンフレットのカラー画像もトップからローまで
同じ色(同じ材質=アルミ製???)に見えます。

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「ウイナーS」と「ウイナー」を裏面から見たところ。
右がアルミスプロケットの「ウイナー」です。
(スプロケットのデザイン上の違いは歯数の違いか、あるいは材質によるデザインの違いか)
この二つ、ともにボディは同一の物と思われますがギヤとボディの境い目を、よく見てください。
右のウイナー(アルミスプロケット)は段差がないほどスプロケットが厚いのに
左のスチールスプロケットは段差がはっきり現れています。
(スチールスプロケットは、ごく普通の平板なもの)

この部分に限らず強度対策の為なのかアルミスプロケットの中央部近く(ボディ側)も、
ほとんど厚めに作られています。

今回はサンプルの歯数が全然、違う為、比較しても意味がないかもしれませんが・・・
(その為、あえて重量は計らなかった)
アルミスプロケットのわりに、ウイナーが、それほど軽く感じないのは今書いたとおり
アルミスプロケット中央部の肉厚が、かなり厚いせいかもしれません。

「ウイナーS」と「ウイナー」を語るとしたらボディの特徴をあげるべきかもしれません。
2枚目の画像を見直していただきたいのですが・・・通常、ふた部分にある穴がありません。
(ふたをカニ目スパナで回す為の二つの穴)
通常のフリー(ウイナーより設計が古い同社のパーフェクトなど、またサンツアーに限らず他社製品フリーも)
は外側からフタを開けます。
しかし、「ウイナーS」と「ウイナー」は、こうした構造をとっていません。
3枚目の画像に見える裏面から調整するのです。
画像ではわかりにくくて申し訳ないのですがボディ裏面外周にある切り欠きを使って緩めたり締めたり(逆ネジ)するようになっています。
ただ、この切り欠きを利用して調整する専用工具は私の知る限り市販されていないと思います。

その為、皆さんからリクエストをいただいても・・・・
どうも「ウイナーS」と「ウイナー」のボディをバラしたりする気にはならないのです(笑)

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ウイナー5速(アルミスプロケット)

ウイナーに限らずサンツアーではマイクロライト
(70年代、他にレジナ、ゼウス、マイヨールなどにもアルミスプロッケットの製品があった)
(カンパのアルミフリーは私のイメージ的に、やや後に感じます。その分、設計は新しい?)
などのアルミスプロケットの製品を使いましたが、どれも傷み(と磨耗)が激しいものでした。
中には磨耗が激しいだけではなく変速性能の低下も著しい製品もありました。
ところが90年代、TA(あのチェンホイールメーカーの)などのアルミスプロケットは
繊細な?9速SISシステムに対応し実用上、十分な変速性能を確保していました。
さすがに磨耗はスチールスプロケットには比べるべくもありませんでしたが
それでも70年代~80年代の製品より、ずいぶん少なくなっているように感じました。
一言でアルミスプロケットといっても年代が違えば設計、材質などで
大きな進歩をしていたのでしょうね。


※当方の間違いなどありましたら、ご遠慮なく、ご指摘ください。