震災の後も多くの方が当ブログに、ご訪問いただいています。
しかし被災地の様子や原発の状況を見聞きするたびに記事を書こう、また記事をアップしようという気持ちが、しぼんでしまいました。
そんな時に「暗い気持ちになりがちな、この時期こそ立ち寄ってくださる方が明るい気持ちになれるよう記事をアップする価値があるのでは」とのメールをいただきました。
そんな、お言葉に当方の稚拙なブログが「この時期、皆さんの気分転換程度でも、お役に立てるのであればアップする意味もあるのか?」と思いいたりブログを再開する事にいたしました。
まずは震災前に書いていた記事からアップしてまいります。




先日、「デュラ(ジュラ)以前の国産コンポ?」と言うタイトルとともに何枚かの画像をアップさせていただきました。


その記事にはメーカー名を書かなかったのですがugbrotherさんには、「うわー、アライですか」
と、あっさり見抜かれてしまいました。

アップした画像はugbrotherさんの、ご指摘のとおりで、アライと言うメーカーの製品でした。

このアライと言うメーカーなのですがネットで調べたり先輩方のお話を伺ったところ、
どうやら現在も「自転車部門」、「自動車部門」、「産業機材部門」を持つ
愛知県愛西市の(株)荒井製作所ではないかと思われます。

荒井製作所HP→ http://www.arais.co.jp/index.html


荒井製作所HPの自転車部門の説明文をここに引用させていただくと・・・

「創業は、大正4年。当社の歴史はそのまま自転車の歴史だといえます。10台に5台は当社の部品が使われているくらい国内大手メーカーに採用され、高い信頼性と実績を誇っています。安全性に欠かせないブレーキはそれ自体が自転車の命だといえます。海外での委託生産や技術提携により、広く世界で活躍しています。」

とあります。
取引先などを確認してみると ブリジストン(株)、パナソニックサイクルテック(株)などが
並んでいますからHPにある「10台に5台は当社の部品が使われているくらい」というのは
実用車がほとんどなのでしょうが・・・ほぼ事実なのでしょう。

海外の安い自転車や部品の輸入が増えている昨今、「10台に5台は当社の部品が使われているくらい」の、
くだりは、ちょっと驚きではありますが国内部品メーカーの健闘は非常に嬉しく思います。



本来ならばメーカーに連絡を取ったり販売店などで、しっかり情報を収集してから、
この記事をアップするべきなのでしょうが・・・
この記事をアップする事によって「アライ」と言う自転車部品メーカーの情報提供を
募る事にしてスタートいたします。


アライと言うメーカーをご存知のサイクリストの方で、もっとも知られているのは
ハブではないかと思います。
私が最初、手に入れたのもハブでしたし「アライのハブ(だけ)なら知っている」という
知合いも何人かいました。


イメージ 1

アライの多段フリー用ハブ。
丸穴と「まゆ型」が互い違いに明けられたフランジの模様がアルテンバーガー(独)の
製品に酷似しているといわれます。

残念ながら手元にアルテンバーガーのサンプルがない為、直接、比較出来ないのが残念ですが。
アルテンバーガーのハブを雑誌の小さな画像で見る限りアライの物より高品位な仕上げが
ナット、スペーサーなど各部に施されていたように見えます。

しかしフランジのパターンは先にも書いたとおり、非常に良く似ています。
このことから、もしかして「スギノ アトム」等のようになんらかの関係があったのか?
とも思わせます。
この辺りの事情をご存知の方が見えましたら、ぜひご教授ください。


イメージ 2

アライの固定ナットは画像のようにナットにフランジが一体になったものですがアルテンバーガーは
ナットに別体のワッシャー?が「かしめ」られているように見えます。
(カンパやデュラ、サンシンなどのピストハブのように高品位な作り)


アライ製のハブは、この(上記の)シンプルな物だけと、ずっと思っていましたが・・・・
(婦人車など実用車用程度の、ごく廉価なクラスの製品しか作っていないと考えていた為)
昨年、くさやんさんが入手したサンプルには本当に驚かされました。


イメージ 3

これが昨年、はじめて存在を知り現物を見て驚いたアライのクイックレリーズ付きハブ。
「まさかクイックレリーズ付きハブまで作っていたとは!?」というのが、その時の感想でした。

ナット式ハブに比べてフランジの基本パターンは一緒のようですが
スペーサー、オーバーロックナット等の作りも良くなっています。


イメージ 4

クイックレリーズレバーは曲がりのない、いわゆる直レバー(直線)と言われる形状の物。
カンパなどが直レバーから曲がりレバーに変化したのは(アメリカ市場の影響で?)
70年代の中頃だったと記憶しますが、このアライの直レバーハブは、いつ頃の製造なのでしょうか?


イメージ 5

ナット側。

画像ではわかりにくいのですが一般的に「Eリング」と言われる形状に似た物がはめ込まれており、
これがQレバーを緩めた時にナットが不用意に動くのを規制するようになっているようです。


イメージ 6

そして、面白いのがクイックレリーズレバー付きハブの胴に大きく刻印された、このマーク!
(グリス注入用の穴をふさぐ金具もカンパなどに比べてかなり大柄です)

「MADE IN JAPAN」はともかく「CHAIR」の文字と「イスのイラスト?」

この刻印はクイックレリーズレバー付きハブだけのもののようで
先のナット式ハブは紛失していましたが
通常は「ARAIの文字と椅子のイラストの入った小さな赤いステッカー」が貼られています。


「なぜ、自転車部品なのに椅子のマークとCHAIRの文字なのか???」
誰でも、そう思われますよね。
未確認情報ではありますが下記のような話を聞いた事があります。

「アライは椅子などのメーカーとして発展を遂げてきたが、ある時期より(60年代初期か)新分野への進出を考え自転車部品にも手を染めるようになり、その際、自転車部品にもかかわらず、それまでの主力商品だった椅子(CHAIR)をブランド名とマークとした」

というものです・・・話として筋は通っていますし、ありそうな?話ですが
真意はいかがなのでしょうか?

皆様の情報を、お待ちいたしております。