今回は以前、知り合いに頼まれて作った電動自転車をご紹介します。
法的に問題があるかもしれませんが・・・
まあ、ずいぶん前に作ったものなので時効ということで(笑)
(10年近く前になりますか、今ならもっと面白い物が出来そうですが・・・)

とりあえず、ここで「電動アシスト自転車」について・・・
「24キロメートル毎時以上の速度で自転車を走行させることとなる場合において、
 原動機を用いて人の力を補う力が加わらないこと」
「改造の容易でない構造」
などと法律で定められているようです。
となるとここに紹介する自転車は電動アシスト自転車の範疇には入りません・・・
(速度センサー等がないので24キロ以上の速度になってもアシスト可能の為)
ところが、保安部品一式を取り付ければ原動機付き自転車としてなら登録可能なのですが。
(原付になると走行の際ヘルメットが必要になります)
(以前は前照灯、尾灯、バックミラーなどが付いていれば方向指示器なしでも登録できたようですが今は?)

いきなり横道にそれてしまいました。
自転車そのものの、ご紹介に戻りましょう。


留意したのはモーター駆動とペダル駆動を切り離せること。
簡単に言えばモーター駆動で走行の際もペダルの足を止めてもフリーになっていて、
なんら問題ないようにすること。
(逆にペダル駆動で走行時、モーターとペダルが完全にフリーになっていること)

イメージ 1

市販の折り畳み式ミニベロをベースになるべくお金をかけないで電動機構を組み込みます。
ベースにしたのはMOUNTECHという自転車。
(記憶が正しければジャイアントが販売していたと思うのですが)

角パイプで荷台?(モーターベース)を作り、そこへモーターとバッテリーを配置。
重量もありますし意外にモーターのトルクも強いので無骨ですが、がっちりとくみ上げます。
画像の状態はテスト時のもので、むき出しですがテスト終了後、プラスチックボックス内に
モーター、バッテリーを内蔵し防水カバー兼、安全カバー兼、「目立たなく」加工しました。
(後にバッテリーを並列増設して航続距離を延ばした)
ハンドル部分にはコントローラーや電圧計を設置してあります。

イメージ 2

最初に書いたモーターとペダルをそれぞれフリーにする為にモーター駆動用スプロケットを
フリー機構付きでハブに固定することにしました。
これが実は大問題だったのです。

まずペダル駆動の為、右側の多段スプロケット(ボス式フリーだった)は残したいのです。
それならピスト用の両側にギヤを付けられるダブルコグハブで・・・と考えたのですが。
ダブルコグハブは両側にギヤは付けられるものの左側はフリー自体(ギヤ)がハブから
「緩む」方向になってしまいます。
これでは使えませんからピスト用ダブルコグハブは断念。

そこで、以前から知っていたBMXフリースタイル系の部品を調べます。
BMXフリースタイル系の自転車には駆動部が左側に付いている自転車があります。

この左側に付くシングルフリーは専用品があり、これは簡単に部品として入手できました。
これをハブの左側に付けられれば大きな前進なのですが・・・

専用ハブがなかなか見つかりません。
専用ハブは右には普通の「正ネジ」が切られていて(→ボスフリー用)、
左側には「逆ネジ」が切られていなければ(→逆回転左シングルフリー用)なりません。

国産、外国製品で、いくつかカタログ上では見つかりましたが単品で在庫している
お店、問屋さんがなかなか見つかりません。

やっと、自転車屋さんが見つけてくれた在庫はリヤハブのみで2万円近かったと
思いますが自転車のオーナーに了承を取り発注します。

このハブ、値段が高いだけに内容も凄かったのです。
まずBMXフリースタイルの飛んだりはねたり?の衝撃に対応する為、内部には
シールドベアリングが4列も配置されていました。

またハブ軸は通常10ミリ径のところ、14ミリ径、そして穴数は48穴。

さて、ここで大問題なのはシャフト径の14ミリ。
結局、フレームエンドは削りたくないし面積の関係で削れそうにもないのでシャフトの
フレームエンドに入る部分の上下を2ミリずつ削りました。
(いわゆる小判型シャフト形状に)
左右、上下、精度をなるべく保って削るのには神経を使いました。

そして、次の48ホールと言うハブの穴数。
簡単なのは対応する48ホールのリムを買い組み上げること。
しかし、リムは32ホールのアルミ製が届いていましたので・・・
ハブ側の48ホールのうち3ホールに一ヶ所間引いて32穴のリムを組むと言う手段に出ました。
(48÷3=16本間引きして48H-16本=32本)
ただ、超変則組なのでスポーク長がよくわかりません。
手持ちのスポークを適当に選んでトライするも短かったり長かったり(泣)
組み方も6本組み、4本組み、2本組みなどまで試してみて、
ニップルも微妙な長さを調整できるロングニップルなども動員し
何とか組み上げました。

イメージ 3

モーター用のチェーン、スプロケットは工業機械用規格の物を加工して流用。
モーター用のチェーンは自転車の物(自転車12.7ミリ)の、
ちょうど半分のピッチの6.35ミリです。
工業用のギヤ板にセンターをビシッと出しながら左用フリーにボルトで固定します。
なんとか、そこそこの精度でセンターを出した所で
今度はネジ式で調整可能になっている2段式モーターベース?を微調整、チェーンの張りを
あわせ、ひとまず完了。


モーターとバッテリーは一時販売されていた簡易電動スクーターの物(ナンバー取得が難しかった物)。
いずれも中国製ながら、そこそこの性能があり、これを利用しました。


年配のオーナーは、これを、しばらく実用に使っていました。
航続距離は聞き忘れましたが市内の移動には十分で特に問題なかったようです。
まあ、運悪くバッテリーを使い果たしても6段変速のペダリングで戻ってこれますからね(笑)

普段の充電は軒先までケーブルを出しバッテリーを充電していました。
また、オーナー所有のキャンピングカーのルーフには太陽電池パネルが設置されており、
これで移動中も充電しておき、キャンプサイトに着いてからは散策や買出しに、
この電動自転車は大活躍していたようです。

ある時などは一日で100㌔近くを走行したこともあったようです。
もちろん、バッテリーは途中でなくなってしまうので奥さん運転のキャンピングカーと
合流し太陽電池パネルで充電しておいたバッテリーと積み替えて走行を続けたとのことでした。

さて、次回は電動アシスト自転車を改造して○○㌔出るようにする方法・・・
は絶対しません!(笑)