「最近では」なくて、もう、ずいぶん前から自転車界では新素材の
導入が著しい。
特殊なアルミ合金、チタン、カーボン、ケブラー等々、こんな凄い素材を、
ごく普通のアマチュアが使っている(趣味の)世界は、ちょっと他に
ないんじゃないのかと思うぐらいです。

こういった凄い素材を導入する主な目的は、やはり軽量化の為でしょう。
(でも例えば・・・何万円もするカーボンのピラーを締め過ぎて割れたなんていう悲劇が?)
そういった新素材による軽量パーツの導入で問題になるのが
「ねじの締め具合」、「トルク管理」。
そこで、今回はトルクレンチ、KTCのデジラチェNo.GEK30-C3Aを
取り上げます。
この製品は「パワーセンサー搭載固定グリップ」
(グリップのどの位置を握っても正確なトルクを割り出す感度センサーを内蔵)
を搭載ほか、いろいろな優れた特徴があります。

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画像下が今回取り上げるKTCのデジタルラチェットです。
トルクレンチにもいろいろなタイプがあります。
たとえば画像の上はダイヤルゲージ式と言われるタイプ。
他にもビーム式、プレセット式等があります。

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KTCのトルクレンチシリーズの名称、デジラチェ(デジタル+ラチェット)、
デジタルはトルク表示を表しているのは当然ですが
「ラチェット」と名前がついているのは・・・・?

「トルクレンチとして使わなくても気軽にラチェットレンチとして使ってもらいたいから」
ということのようです。
(なおデジラチェはKTCの登録商標とのこと)
さて、そのデジタルラチェットも各種用意されているのですが、
今回選んだタイプはデジラチェNo.GEK30-C3Aです。

KTCのデジラチェにも各種ある中で、これを選んだ理由は主要な目的が
「自転車関係の使用」になる為。
自転車関係ですと他の用途(自動車、一般機械など)に比べて「小トルク」の
管理が必要な部品が多くなります。
そこでトルク測定範囲の中で最も低トルク(2~30N・m)の測定が可能な、
このタイプを選びました。

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デジラチェNo.GEK30-C3AとKTCの一番小さいコンパクトショート
ラチェットハンドルBRC3Sとの比較。
確かに以前のトルクレンチに比較するとコンパクトなデジラチェですね。

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機械、工具に詳しい方なら当たり前のことですが念の為。
トルクレンチを買っただけではトルクの測定は出来ません。
あなたの測定したい(締めたいネジ)に適合したツールが必要です。
例えば上の画像はヘキサゴンソケット。
(自転車界では、なぜかアーレンキーソケットと呼ぶ)
左から4、5、6、7、8ミリ。8ミリというのは、自転車だけでなく
一般的にも、ほとんど使われていないサイズですが古いフランス車の
一部には時々、使われていることがありフランスの旧車をいじる
人には欠かせません?

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これはナット、ボルトを回す、いわゆるソケット。
いきなりセットで買ってしまえば安心ですが自転車に限らず自分の使う
サイズのみ順番に揃えていけば良いでしょう。
こんな単純に思える物でも製品の質がありますから安いからと飛びつかず、
ちゃんとした製品を選ぶのが肝心です。
精度の高い良い製品はネジ自体も傷めにくくなめにくいものなのです。

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話が後先でしたが先の画像で紹介した工具を差し込む部分の画像です。
(右がソケット)
(左はデジラチェではなく通常のラチェットレンチ、デジラチェも同じ形状)
この部分を「差し込み角寸法」などと言います。この部分の規格は
世界共通で、通常使われているサイズは3種類(工業用にはもっと大きな
サイズもある)でインチ表示で1/4SQ、3/8SQ、1/2SQなどがあります。
今回のサンプル、デジラチェNo.GEK30-C3Aは3/8SQになります。
(ミリ表示に直すとそれぞれ6.75ミリ、9.5ミリ、12.5ミリ)
このサイズがあっていれば他メーカーでも互換性があります。
(メーカーによって公差があるので着脱に若干のフィーリングの違いが出ることもあります)

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全長が211ミリとコンパクトなので使いやすい?
トルク値を見ながら作業出来ますし、先にも書いた通り、またメーカーが
アピール?するようにトルクレンチとではなくラチェットレンチとして
気楽に使うこともできます。
(でも、ラチェットハンドルだけの方がコンパクトで軽いけど)

トルクレンチを使えば、これで、もうトルク管理は大丈夫・・・
と言いたいところですが難しいのがネジの世界???

例えば簡単な例を挙げれば・・・
「グリスを塗らないでそのまま組んだネジ&ナット」と
「グリスをしっかり塗ったネジ&ナット」
では同じトルク数値が出たとしても同じだけしまっているのか?

ネジの世界は奥が深い?(笑)