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今回は固着したステムの救出。

普通はピラーやステムが固着したフレームをなんとか救出というのが一般的だと
思いますが今回は逆。
(もちろん、両方救出できればそれに越したことはないけど)
なぜならフレーム(アルミ製)は腐食がひどく既に使用に耐えられる
代物ではないからです。
そんな友人のフレームに付いていたのは初期ロゴのチネリ レコードステム。
見えるところは意外にきれい、捨てるには惜しいパーツです。

友人は長年乗った記念としてフレームを残しておきたいとのこと。
その為、自分で分解を始めたもののBB、ステム、ハンドルを外すことが
出来なかったようです。

まずはBB、これは単に工具がなかっただけのようで簡単に外せました。
ただ、残念だったのはシャフトが虫食い状態で再使用には厳しい状態だったこと。
(ワンは何とか使えるかなぁ)

さてハンドル、ステムは・・・
画像は取り忘れてしまいましたがステム固定の引き上げ棒がアルミの為、
なめてしまっていたのでした。
まあ、運よくステム引き上げ棒が回ったとしてもステムとフォークチューブが
固着していて、どのみち外せなかったと思いますが。

またステムとハンドルですが、ちょっと厄介な状態でした。
これもチネリ レコードステムに時々ある症状ですが「動く」、「音がする」
などの理由で長いヘックスレンチで力任せに締めこんでいると、
やがてハンドルバーが変形してしまいステムのハンドル固定ボルトが緩んでも、
なかなか抜けなくなってしまうのです。

今回の依頼品も多少、この状態が出ていてハンドル固定ボルトは動くようになった
ものの緩めてもハンドルが少ししか動かない状態でした。
(その為、この後の作業にも多少支障があった)

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さて、ステム救出作業を開始します。
まずは六角穴をなめてしまったステム固定引き上げボルトの頭を
ドリルで削ります。
画像はブレブレ、ピントが合っていませんが一人で作業しながらなので、
ご勘弁(笑)

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先にも書いた通りレコードステムの引き上げ棒はアルミなので何とか削れますが
ステム本体にキズをつけないように注意して少しづつ径を大きくしていきます。
(もちろん、径だけではなく深さも)
削り過ぎて本体を削ってしまうのも問題ですが、あまり肉厚がある状態で無理に
叩いても本体を傷める可能性があるので少しづつ深さも決めました。

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そして、慎重に検討し・・・適当だと思われるところでやめて中心を
ポンチで叩きます。
なかなか抜けませんでしたが思い切ってハンマーを振り下ろすと・・・
「やりました!!!」
見事にステムの引き上げ棒を打ち抜くことに成功しました。
(当然、ウスも落ちた)
ただ、本体の内側に引き上げ棒の一部が、まだこびりつくように残っているのが
画像でも確認出来るかと思います。
これが、意外にも、なかなか手ごわくて。
まあこれは・・・ステムがぬけなければ仕方ないのでステムが、
うまく抜けたら考えることにして。

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ウスは落ちましたが思った通り固着していてステムは全く動きません。
ヘッド小物を外してステムとフォークチューブの隙間に直接、浸透潤滑材を
吹き付けましたが数日たってもびくともしません。

こうなったら・・・・