70年代半ばに本格的な自転車遊びに目覚めた世代としてはエベレストといえば
高級なロードとピストのイメージです。
(80年代初め頃には6本バックのミキストの広告も見かけた記憶がありますが)
もちろん、エベレストはツーリング車から実用車に至るまで生産していたことも
のちに知るようになりましたが。

ただ、ロード、ピスト以外のエベレストを見にすることは、なかなかありません。

今回はエベレストのツーリング車(ランドナー)のサンプルを、くさやんさん
から借り出してご紹介したいと思います。
作られた年代はわかりませんが部品、フレームの仕様から1970年代のごく
初め頃のものではないかと考えています。

そもそも、エベレストは1905年に・・・
ここで歴史に触れたいところですが詳しくないので(笑)
ごく簡単に期すと自転車屋の傍ら英国もの(BSA、トライアンフ、レイノルズ等々)
を輸入、東京オリンピック(1964)が近くなった頃にはチネリ、カンパニョロなどの
輸入販売も始めたのだそうです。

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フレームサイズがC-T515ミリと小さいもののよくまとまっている
エベレスト ランドナー。
タイヤサイズは650×38Aです。

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ヘッドマークは、いわゆるリベット止めのマークが使われています。

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ダウンチューブには、かすれたり日焼けしているものの「EVEREST」の
文字が残ります。

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シートチューブ上部には「TSUCHIYA」の文字も入っています。

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ヘッド部分。
ラグレスで作られています。
ホーククラウンはどこのものでしょうか?
(私はフレーム材料に全然知識がない)
このフレームで直付けされているのはダウンチューブのポンプペグのみ。

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シート部。
ここもラグレスで作られています。
シートパイプの上部にも一切補強などはありません。

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BB部分。
こちらもラグレスですね。
ワイヤーリードなどもバンド止めで処理されています。

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上の画像のワイヤーリードになじみのない方も見えるかもしれませんので
右から見た画像で仕組みを見てみましょう。
これはサンプレックス製でベルクランク式と呼ばれていたと思いますが
正式名称は知りません。
画像右上から来ているワイヤーがシフトレバーから来ているワイヤーで
ワイヤーを引くと上部の大きなマイナスボルトの部分を中心に
動くようになっています。
そうすると左に延びるワイヤーがRDへと力を伝え変速する
仕組みになっています。

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ブレーキはセンタープル。
これも台座は直付けされて枚ません。

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リヤエンド部分。
エンドはあまり見かけないユーレーでした。
リヤエンドは超ショートのロードエンドのような形状です。
当たり面はメッキ出しされています。
エンドの上側には筆記体で「Hurét」の文字が入っていました。
画像右手には、やはりバンド止め処理されたRD用のアウター受けが
見えています。

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フロントフォーク中間部分に付けられたフロントキャリアのダボ。
マスプロメーカー車のような形の小物が付いています。
ただ、悪口ではなくロウ付け部分の面積がやや増えて、しっかり
付けられているように見えます。
穴にネジは切られておらず裏側のナットでボルトは止められています。


次回は、今回のサンプル車にアッセンブルされている部品類を
見ていきましょう。