今回、5回目?ということで年末恒例となりつつある奈良ポタリングに
行ってきました。
このポタリングのお約束は年末開催であること、目的地は奈良であること、
そして参加者の自転車は基本、モールトン系であること。

参加者のほとんどは愛知県なので奈良というのは近いとは
いえないのですが・・・
思い切って行くのに良い機会ではあると思っています。


今回は飛鳥、甘樫丘駐車場に集合して出発です。

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まずは初代天皇である(実在は疑問視される説もありますが)
神武天皇の陵(みささぎ、お墓)を見学します。

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そして今回のメインの目的地は今井町。
画像は今井まちなみ交流センター華甍(はないらか)
この建物は比較的新しく??明治36年に博物館として建てられ、
のちに役場として使われたらしい。
今は今井町観光の拠点となっているはずですが・・・
今日25日から年末年始の休みに入っていました。
観光の拠点というならば、せめて日曜日の25日はあいていてほしかった。

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今井町、ここは昔ながらの家が数百軒、まるで江戸時代の空間が
残る街として有名です。
(重要文化財に指定される建物も10件ほどあります)
今回は6台のモールトンとブロンプトン1台が集まりました。
「えっ、モールトンに限るのではないのか?」と言われそうですが
ブロンプトンは素敵な女性の愛車ですから(笑)

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旧家の軒先で休む私のAM-7。
トラス構造のフレームは古い町並みにもお似合い?
難点はスタンドが付かない(フレームが華奢でつけにくい)ので、
こういったストップ&ゴーの散策にはやや使いづらいことか。

今井町を散策し昼食をいただいて南下します。

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橿原神宮を参拝。
後方は大和三山(藤原京を囲むように存在する三つの山)
の一つ、畝部山。
ここは広大な敷地の立派な神社ですが意外に知られていないのは
祭神と歴史。
古い寺社が多い奈良にあって建てられたのは明治23年と
(超)意外なほど新しい。
祭神は神武天皇と皇后。
初代天皇、神武天皇が即位したのが画像後方に見える畝部山と伝わる為、
ここに橿原神宮が建てられたのだそうです。

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橿原神宮から向かったのは甘樫丘の麓にある向原寺(こうげんじ)
ここは観光地としてあまり知られていませんが自分が行きたくて
行きたくてしかたなかったお寺。
(以前、来たことがあるものの夕刻で拝観は断念していた)

仏教伝来した奈良には古いお寺がたくさんありますが、ここが日本最古の
お寺とする説もあります。

それは簡単に説明すると・・・
百済から伝わった仏像を天皇がどうしたものか?と迷われた時、
渡来系豪族の蘇我稲目(崇仏派)が戴き自宅を寺としてまつったと
伝わる話があります。

最近の発掘、研究では、この向原寺が、そのお寺(元善光寺)であるのは、
ほぼ間違いないといわれているのです。

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その証拠の一つ。
向原寺で公開されている発掘跡。
(有料、200円で飛鳥時代の仏像と遺構跡を見学できます)
まわりに見える石垣は発掘後のもの。
右奥、柵の外に見える石が、かつてのお寺の礎石のひとつと言われています。
右、奥にみえる土壁が版築と言われる突き固めて積まれた土でお寺の土台。
(非常に固く発掘後、30年ぐらいたつようですが崩れたりしていない)

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穴の底が、お寺が築かれる前の時代の遺構。
最初のお寺が築かれたのは7世紀前半とされ穴の底の遺構は当然さらに
古いもの。
ここも発掘研究の結果により豊浦宮跡(とゆらのみや)であると
考えられています。
豊浦宮は初の女帝として知られる推古天皇の宮で即位後最初に宮を
置いた場所なのだそうです。
(第33代 推古天皇 在位592~628年)

左奥に四角く残るのは柱穴です。
通常、地下に埋まっている木材は千年以上経っても地中に残ることが
多いのですが何も残っていなかったそうです。
また床材?として敷き詰められていたはずの石も何か所もかけています。
これは後に推古天皇が小墾田に宮を移す際、再利用する為に
持ち去られたのではないかと考えられているようです。

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向原寺さんに伝わる仏像(撮影可能)
念願かなって、やっとお会いできました!
優しい、お顔をされています。

お顔の辺りは飛鳥時代で、お体その他の部分は江戸時代の
修復であるとのこと。
「百済で作られて日本に持ち込まれたもの」あるいは
「百済の仏師が日本で作ったもの」など諸説あり。

この仏像、一度盗難にあったものの近年、見つかり
このお寺に戻ってきたのだそうです。

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向原寺境内に置かれた石。
「ここにあったのか!」
古代史でも飛鳥時代ファンとしては重要な石なのですが・・・
この石は石神遺跡で見つかった須彌山石(しゅみせんせき)の
周辺に飾られていた石の一部だと考えられています。
(須彌山石のレプリカが飛鳥資料館にあります)

今回は12月後半とは思えない、たいへん穏やかな天気に恵まれ楽しく
奈良ポタリングを楽しむことが出来ました。
来年は、どこをご案内しましょうか?今から楽しみです。