トヨタ博物館のバックヤード収蔵車展
「トヨタ2000GT 50周年記念 スポーツカー特集」
に展示されているトヨタ2000GTについて見ていきたいと思います。

※初めにお断りしておきますが・・・
私はトヨタ2000GTの熱心なファンではないので間違い等ございましたら
ご指摘、ご教授いただけると幸いです。

イメージ 1

常設展示車輛。
前期型(1968)の右ハンドル車。
多分、市販車輌と思うのですが(車体番号など未確認)・・・
市販車輌かどうか?ご存知の方が見えたらご教授ください。

前期、後期型の見分け方、違いについて、この場では特に
書きませんが・・・
あまり知られていない特徴をこの車はちゃんと持っていますので
触れておきたいと思います。

それは、フェンダーミラーの特徴。
「前期型はフェンダーミラーの内側だけが黒く塗られている」と
言われているのですが今見るクルマは前期型でも全メッキだったり
全黒色がほとんどです。
本当に内側だけ黒く塗られていたのか?少し疑問だったのですが、
さすがトヨタ博物館の車、この車は内側だけがちゃんと黒く
塗られていました。

イメージ 2

バックヤード収蔵車。
後期型(1968)の右ハンドル車。
これも、多分、市販車輌と思うのですが(車体番号など未確認)・・・
市販車輌かどうか?ご存知の方が見えたらご教授ください。

イメージ 3

バックヤード収蔵車。
ボンドカー(1966)
ボンドカーの通称で知られるものの映画の中でジェームズボンドは
運転しておらず日本の諜報機関の車として登場。

この車は映画用に試作車両から作られたと聞くので車体番号のない
車両と思われます。
ただ、日本での映画公開前に報道陣に公開された画像を見ると
「品川5 ま 20-00」のナンバーを付けています。
シャシーナンバーのないとされる試作車から作られた車ですから、
たぶん、これは本物のナンバーではない?と思われます。

また、この車は一時ハワイに渡って忘れ去られていたようですが発見時は
青色に塗られメッキのホイールも黒く変色し無様な姿で日本に戻ってきて
レストアされたとのことです。
(1977年、レストア前の状態の青いボディカラーの画像が雑誌に
     載ったことがあります)
なお、この車は映画撮影時からフェンダーミラーが
装備されていないようです。

イメージ 4

バックヤード収蔵車。
前期型(1967)の左ハンドル車。
この車輛についてトヨタ博物館で配布されていたパンフレットに
なぜか、わざわざ、「実際に販売された前期型」と明記されています。

この車、一番最初の画像の車と同じと思われる前期型フロント
ウインカーレンズ形状ですが色が黄色になっています。
輸出用という事でしょうか?
またワイパーの方向も右ハンドル車とは違います。
(他にもマフラー先端形状が違うような気がしたが画像なし・・・)

ちなみに右ハンドルの車両形式は「MF10」ですが左ハンドルは
「MF10L」となります。
また、後期型にはオプションでAT仕様があり、その場合「MF10C」
となるそうですが・・・この形式のプレートを見たことはありません。

イメージ 5

通称「トライアル車」
1966年に3つの世界記録と13の国際記録を樹立した
スピード トライアル車のレプリカ。
(実車は解体処分され現存していない)
実車は2000GTの試作車両、第一号車から作られたということですが・・・

では、このレプリカは・・・
この車はアメリカでの宣伝効果を狙いSCCAレースに参戦する為、
キャロル シェルビー レーシングに送られた3台のうちの
1台から作られたとのことです。

この3台はシャシーナンバーが判明しており、このレプリカは
シャシーナンバー「10006」から作られたそうです。

ただ、正式販売車両は「10007」からとされており、この車は
シャシーナンバーがあるもののトヨタ2000GT販売車輌337台には
該当しないクルマということになります。

ちなみにシェルビー レーシングに送られた他の2台もシャシーナンバーは
判明しており車自体も現存しているそうです。
そのシャシーナンバーは10001(ということは生産型第1号車か?)、
10005とのことでレースで活躍した後、10005はロードカーとして
使われていたそうです。

先にも書いた通り正式販売車両337台の最初のシャシーナンバーは
10007からとされているのに10005がロードカーとしてナンバーを
付けたという事(たぶん、アメリカにおいて)は337台のほかにも
ナンバーをつけた2000GTがあったということになると思うのですが・・・

雑誌資料などによれば「10001~10006はシャシーナンバーがあるにも
かかわらず市販されなかったが後にナンバーを付けた車両もある」
と書いているものもあります。
前記の10005以外にも10001~10006の中でナンバーを
付けた車があったのか?不明です。

トライアル車(オリジナル)はフェンダーラインなどが市販車と違い
レプリカでもハンダ?を盛るなどして再現されているとのこと。
他の市販車と見比べればフェンダーラインの違いが・・・
画像では良くわかりませんね(笑)
なお、スピードトライアルは単独で走るので後方を確認する必要はなく
もともとフェンダーミラーはなかったようです。
(空気抵抗軽減を狙ってか)



今回、バックヤード収蔵車も含め5台の2000GTが見られるという事で
確認したかったのは、かつてトヨタ鞍ヶ池記念館に展示されていた
2000GTは今どうなっているのか?、このトヨタ博物館にあるのか?
という疑問。

トヨタ鞍ヶ池記念館に展示されていた2000GTは
(なんと垂直に立てて展示されていた)
左ハンドルだったという事、左のミラーがフェンダーではなく左ドアに
付いていた事(砲弾型ではなく板型)、そして最大の疑問は後期型で
あったということ。

「輸出用左ハンドルは前期型しか販売されていない」という資料の記述と
矛盾してしまいます。
今回、左ハンドル車があるという事で「もしかしたら」と考えていた
のですが実車は鞍ヶ池の車とは違うクルマでした。

ただ、鞍ヶ池にあった車を改造したのでは?という疑問もありましたので
コンパニオンさん(正式の呼び名は不明)に聞いてみました。

すると、すぐにあちこちに連絡を取り調べてくださいました。
実際には担当者が会議中とのことで、その場では結論は出なかったのですが
夕方、わざわざ、電話で報告してくださいました。
その「神対応」はホンダファンの私もNS-Xをキャンセルしてレクサスの
1台も買おうか?と思わせるほど(笑)
対応、物腰、笑顔何をとっても、さすが世界のトヨタの博物館のコンパニオンさん、
どんなお客様を世界中から迎えても恥ずかしくありません。
(その節は面倒な客で、お手数をおかけしました)

おっと、話がそれました。
コンパニオンさんが調べてくださった内容を要約すれば・・・

トヨタ鞍ヶ池記念館にあった2000GTはトヨタ博物館の収蔵車ではない。

トヨタ鞍ヶ池記念館にあった2000GTが今は東京、お台場のMEGA WEBの
収蔵車であること、

そして、そのものが、たまたま5月28日のトヨタ博物館クラシックカー・
フェスティバルに参加する予定、と教えてくださいました。

そこでトヨタ博物館でいただいてきた
「トヨタ博物館クラシックカー・フェスティバル」
のパンフレットを良く見てみると展示車両の中に、それらしい車両を
見つけました。
ちゃんと「MEGA WEB車両」と書かれています。

ここまで、わかれば
「なるほど、トヨタ鞍ヶ池記念館にあった2000GTは今は
   MEGA WEBに収蔵されているんだね」

で終わるはずでした。
ところがパンフレットをさらに良く見ていると思わぬ文字が目に
飛び込んできました。

それはトヨタ2000GT MF12Lという文字。

「12」???

先にも書きましたがトヨタ2000GTの車両形式は「MF10」のはず。
「MF12L」ということは、あの幻の・・・
(MF12という車両形式については以前、雑誌で見て知っていた)

「鞍ヶ池の2000GT、実は2000GTではなかった?」

このなぞなぞのような話は・・・
※続きは後日。