あなたはトヨタ鞍ヶ池記念館に1999年までに行ったことがあるで
しょうか?
トヨタ鞍ヶ池記念館には1999年頃までトヨタ2000GTが
展示されていました。

それも、衝撃的な姿で・・・・
(1999年、MEGA WEBが出来る際に鞍ヶ池から運ばれレストア展示される)

※最初にお断りしておきます。
 私は熱心な2000GTファンではないので間違いなどお気づきの点が
 ございましたら ご指摘いただければ幸いです。

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これが1999年頃までトヨタ鞍ヶ池記念館に展示されていた
トヨタ2000GTの姿。
なんと垂直に展示されていたのです。

ここに展示されている画像は雑誌でもあまり見たことがないのですが
1980年のスクランブルカーマガジン(現在のカーマガジンの前身)
には真上?(ルーフ側)から撮られた画像と下面から撮られた小さな
画像が載っています。

なぜ、こんな形で展示されたのでしょうか?
貴重な車ゆえ展示に関してもインパクトのある姿にしたかったという
理由もあるでしょう。
また、前記の雑誌には「エクゾースト系のとりまわしやリア・サスの様子
などよく判る」と書かれているように下面、シャシーなどが1台で確認
できるように、このように展示されたのかもしれません。

私は大学生の時から社会人になった頃(1980年~1982年頃)
2、3度ここを訪ね、この垂直に展示されたトヨタ2000GTを
見ています。
しかし、当時は後期型の左ハンドルという程度の認識しかなく、また
裏面を覗いた記憶はありません。

そして1983年頃、このクルマについてまたカーマガジン誌に記事が
載ります。

「実際に輸出されたものは全て前期モデル」
「鞍ヶ池にある2000GTは後期モデルの輸出仕様車を
   作るためのテスト車だった可能性も高い」 

との記事でした。
この記事のおかげで
「鞍ヶ池の2000GTは後期型輸出仕様のテスト車だった」
という知識は私の頭にインプットされました。

ただ、この記事には前回の記事に書いた
「2000GTではない2000GT、通称2300GT」
の記事も大きく乗っているにも関わらず鞍ヶ池の2000GTが2300GT
であることについては一切触れられていません。

※2000GTではない2000GT(SOHCエンジンの2000GT)についての記事。


この時点では雑誌記者の方も後期型輸出仕様のテスト車であることは
わかっていても、それが実はSOHCを持つ2300GTであることには気が
付いていなかったと思われます。

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鞍ヶ池の2000GTを見たことのある地元のクルマ好きの間で時々、話題に
のぼったのが「鞍ヶ池の2000GTは今どこにあるか?」と言う話。
「多分、トヨタ博物館におさまっているのでは」となるのが常でした。

そして今年、トヨタ博物館企画展(6月25日まで)
「トヨタ2000GT 50周年記念スポーツカー特集」
にトヨタ博物館所蔵の2000GT、5台が展示されるというので、この中に
鞍ヶ池のクルマがあるのでは?と見に行ってみたのです。

ところが鞍ヶ池の2000GTの特徴を持つ車は、その中にありませんでした。
そこでコンパニオンさんに質問すると、すぐに調べてくれて
「鞍ヶ池にあった2000GTは東京のMEGA WEBにある」
と教えてくださいました。
そして
「その車が5月28日のクラシックカーフェスティバルに参加すること」
も、わざわざ電話で連絡してくださいました。

そこで、クラシックカーフェスティバルのチラシを見てみるとMEGA  WEBの
クルマが(小さな画像ですが)載っており・・・
ところが、よく見ると予想外の文字が書かれていたのです。
それは「MF12L」!!!
これは以前の記事にも書きましたがトヨタ2000GTの形式ではありません。
2,253cc、SOHCエンジンを持つ通称2300GTの形式なのです。

そう、トヨタ鞍ヶ池記念館の2000GTはSOHCエンジンを持つ通称、
2300GTの輸出仕様テスト車輛だったのでした。

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5月28日、クラシックカーフェスティバルに展示された2000GT。
くどくなりますがMF12とありDOHCエンジンではなく
水冷直列6気筒SOHCエンジンと、しっかり明記されています。
そう、このクルマは通称2300GTと呼ばれるクルマだったのです。

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鞍ヶ池に展示されていた時の画像を拡大したもの。
後期型の大きなリフレクターハウジングに、ごく小さなスリットが
入っています。
これは2300GTの特徴の一つでクラシックカーフェスティバルに展示された
車両にも見て取れます。
(上の画像で確認できます)

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上は鞍ヶ池に展示されていた時の画像を拡大したもの。
下はクラシックカーフェスティバルに展示された車両の画像。
この画像に共通するのは左ドアについているバックミラーの形状。
この形状のミラー及び取り付け位置は私は他で見たことがなく
輸出仕様車テスト車輛の、このクルマだけの特徴と思われます。
ちなみに通常の前期型左ハンドルのミラー位置、形状は下記の画像で
ご確認ください。

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これが通常の市販型のミラー位置、形状。
ちなみにワイパーの向きは右ハンドルとは反対になります。

このようにMEGA WEBの車輛と鞍ヶ池の車輛と比較すると
①実際には販売されなかった後期型左ハンドルである。
②後期型の大きなリフレクターハウジングに、ごく小さなスリットが入っている。
③他の車輛で見たことがない左ミラーの形状、位置。
④2300GTの特徴とされるオイルクーラーカバーが両車ともない。

など、わずかではありますが「特徴的な共通点」がありトヨタ博物館の
コンパニオンさんが教えてくださった通り
お台場MEGA WEBのトヨタ2000GTは鞍ヶ池の2000GTと
同一のクルマであると納得することが出来ました。
(トヨタ博物館さんが調べてくださったのですから当たり前ですが・・・)