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先日の朝バンクで後輩が付けていた、この巨大なチェーンリング。
歯数はなんと63Tだという。
後輩は、あちこちのレースで表彰台に上る実力者ではあるが63Tとは。
ギヤ比で、せいぜい3.333(50T×15T)が踏めるかどうか
という今の自分には、にわかに信じがたい(笑)

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ただ、フロントが大きいだけではギヤ比はわからないので念の為、
確認すると
63T×17Tでギヤ比は3.706だという。
(余談だが実際は、間違えて16Tを組んでいたらしい)

3.706ならば最近の競輪選手の使用しているギヤ比から見れば
「軽い」?のですが・・・
もちろん、後輩は競輪選手ではなくアマチュア選手。
ちなみに最近の競輪選手のギヤ比は制限されており4.0以上は
使用禁止とのこと。

 その為、競輪選手で使われている重い方のギヤ比は・・・
 55T×14T(3.93)
 51T×13T(3.92)
 あたりが多いらしい。



後輩の63T×17T(3.706)に話を戻しましょう。
3.706あたりのギヤ比をセットするのであれば63Tを
組み合わせなくても
52T×14T(3.714)
48T×13T(3.692)
などの組み合わせも考えられますが、なぜ63Tを使っているの
でしょうか?

この理由を後輩に聞いてみると
「同じギヤ比であればギヤの大きな組合せの方が駆動系の摩擦などが
 少ないと聞いて」
とのことでした。

実は、この意見は私の予想していた通りでした。
もう30年ほど前の話ですが機械設計の方と話をしていた時に
この意見を聞いたことがありました。

その技術者の方の話では
「例えば同じ3.0のギヤ比を作りたい場合、42T×14Tや51T×17Tなど
 いろいろの組み合わせができる」
「その場合、(その他の理由を無視すれば)基本的にはギヤの大きな組合せの
 方が機械的損失?が小さい」
という事でした。

※機械的損失という言葉がこの場合正しいかどうかは自信がありませんが。
 チェーンが折れ曲がったり、チェーンとギヤの間に起きる摩擦抵抗
 などが負荷になるらしい。
 技術者の話では数値化されて証明されているとのことでしたが・・・


では上記の「その他の理由を無視すれば」という「その他の理由」とは
何でしょうか?
それは・・・
①ギヤの組み合わせが大きくなるとチェーンなども長くなる。
 そうするとギヤ、チェーンなど重量がかさんでしまう。
②ギヤの直径が大きくなると、強度の問題から、たわみなどの問題も 
 発生する。
 (強度低下を補おうとすれば重量がこれまたかさむ)
というようなことでしょうか。

ギヤのたわみなどの問題は素材や加工方法、形状の工夫でクリアされて
いるとすれば、後輩の理由は正しいと思われます。  

ただ、そのあたりの摩擦、抵抗、損失などがどの程度の大きさなのか、
なかなか数値化して比較できるとは思えないのですが精神的にも
「摩擦が少ない」と思い込むことは十分な?メリットがあるでしょう?



そうそう、抵抗の数値化で思い出したことがあります。
もう何年も前からRDのプーリーにベアリングが入っていることは珍しい
ことではありませんが、
ベアリング入りプーリーが珍しかった時代の話です。

アメリカのBullseye(ブルーズアイ)という会社がベアリング入りプーリーを
販売していました。
(ブルーズアイがベアリング入りプーリーを販売したのは多分1972年から)

この製品は後にA&Fさんによって輸入販売されるようになりました。
その製品のメリットについてA&Fさんのカタログでは
「160キロのヒルクライムで20メートルの差がつくといわれていいます」
と書かれていました。
多分、この広告は英文を翻訳したものでしょう。
(160㌔というのはアメリカ製ですから100マイルから来ているのでしょう)
「ベアリング入りプーリーにすると(ノーマルプーリーに対して」
160キロのヒルクライムで20mの差がつく・・・」

これは抵抗を数値化して表した素晴らしい広告ですが、はたして、この数値って
高価なベアリング入りプーリーをわざわざ買う必要性がある、と思わせるほど
のものでしょうか?
(1992年当時、1台分4,900円)

そもそも「160キロ走ると」ならまだわかりますが
「160キロのヒルクライム」って??そんな坂、アメリカにもないでしょう。

せめて「16キロのヒルクライムで20mの差がつく」なら購買意欲も?(笑)
これが、どこかで誤植、誤訳されたものなのか?それぐらい摩擦抵抗の差が
小さいものだったのか?
今もって疑問です。