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10月某日、信じられない幸運に恵まれました。

コルサの昔からの憧れ、ホンダS800に地元のホームコース?で試乗させていただけるというのです。

オーナーのY氏は、お忙しいところ、わざわざ、関西方面から愛知県にお越しになり私に試乗の機会を作ってくださるというのです。

こんな、幸せは滅多にありません。Y氏には感謝、感謝です。

 

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元々のエンジンのスペックも直列4気筒DOHCに京浜CVキャブレター4連装、791ccの排気量から8000回転で70馬力を絞り出すという60年代中頃のクルマとしては驚異的なスペックですが(いつの時代にしても驚異的ですが)、このY氏のクルマはサーキットで日本最速のSを走らせているというメカニックが腕によりをかけて仕上げた公道スペックなのだそうです。

その詳細は控えますがスペシャルメイドのスリーブにより排気量を約900ccまで上げハイカムなどを組み込むことにより素晴らしい仕上がりになっていました。

このエンジンの仕上がりは素晴らしくオーナーいわく「レブリミットは1万回転」!!!

実際、峠道で何度か9000まで回し最高9500まで回したと思いますが、ほとんどストレスを感じず、ただただ電気モーターのように滑らかに回転をあげていくのでした。

しかし、55年前の小排気量のエンジンにハイカム入れてチューンと聞けば、また1万回転までストレスなくふけあがると聞けば低回転ではトルクが細く乗りにくそうなエンジンを想像しますが、これまた、まったく問題ない仕上がりでした。運転を交代した直後の市街地のストップ&ゴーでも扱いづらさは全くありませんでした。

今回は市街地からハンドルを任され完熟走行の後、若かりし頃、ホンダCR-X SiでFF最速を競って戦った?勝手知ったる某峠道で総合的な走りを味わうという得難い体験。

期待がふくらみます。

 

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と、その前にコクピットの様子から。

アルミのパネルと赤い内装は本来、S600の物だそうですがオーナーの好みで変更されているとのこと。これは私も好ましいと思いました。ステアりングも小径な物に変えられていましたが特に重いとは思いませんでした。ステアリングの配置(車体中心部にオフセット)とペダルの配置(車体右にオフセット)とは少し癖のあるものでしたが、すぐに慣れました。私が普段乗るスーパーセブンの狭いペダル配置に比べれば安楽な物でフットレストがあるのが有難かったですね。

ただ、最後までなじまなかったのは、これまたスペシャルなシフト。本来は4速の物を、これまた5速に改造されていたのでした(レーシングパーツではない)

1速が左手前に来て、その右にHパターンで2~5速が配置されているのですが2、4速が前方で3、5速が手前に来ます。峠道では、どんな車でも2、3速が中心になると思うのですが2速が前方で3速が手前というパターンには慣れることが出来ませんでした。

慣れないと言えばヒール&トウもうまく出来ず前述のシフトパターンもあり回転を合わせて2速に落としてタイとコーナーに侵入するという一連の操作がイメージ通りできず残念でした。
そうそう、コーナーの入り口でアクセルを全閉してから加速に移るところも、少しぎくしゃくしてしまって、もう少し滑らかに操作したかったですね。これは助手席に乗るオーナーも気になったのでは。

旧車でよく聞く難点と言えば何といってもブレーキでしょうか?ただ、このクルマは特に不満は感じられませんでしたし冷えた外気の中でヒルクライムの10キロくらいでは何の変調もありませんでした。もう少しタイトなブレーキングで車の姿勢も一気に変えられそうな気がしましたが、さすがにオーナーが隣に乗っているので試すことは出来ませんでした。もう少しコーナー奥までブレーキを我慢してから踏んで荷重が前輪にかかったところでステアリングを切り始めて、ゆるやかに、でもクイックにテールが出てきて・・・うーん、試してみたい()

それから驚いたのはステアリングのクイックで旧車にありがちな反応が鈍かったり感触がグニャグニャしたところが一切ないのも素敵でした。

ホームコース中盤のストレート気味でスピードが上がったところ(29500回転?)でブレーキングしながら左のガードレールいっぱいまで寄せて右に切り込んでいく。キャッツアイを決して踏まないがタイヤサイドでキャッツアイを触るくらいにギリギリまで右に寄せたところで今度は一気に左コーナーに切り込んでいく。そしてすぐに軽く右に切って立ち上がるところ。最高でした。

今回はオーナーがナビシートに座っていたのと最初の右コーナーに、少し水が出ていたので、かなり減速しましたしキャッツアイ、ギリギリにインも攻めませんでしたが面白かった。この身軽さとフットワークなら、この右、左、右のタイトコーナーの連続で大排気量スポーツカーでも引き離せるのでは()
ハンドリングが素晴らしかったと書けば、脚まわりにも触れなければなりませんが、若干ノーマルより車高が下げられていること以外、詳細は確認し忘れました。もちろん、いろいろ手が入っているのでしょう。
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そうそう、よく間違えられるのはクルマ好きの方はホンダSシリーズが特異なチェーンドライブで後輪を駆動していたという情報。
もちろん、それは事実でS500からS800にもチェーンドライブがありますが後期には5リンクリジッドになっています。このクルマも5リンクリジッドで当然ですがチェーンドライブの癖はありませんでした。
その他、クラッチも違和感もなく重くもありませんでした。クラッチの接続具合も自然で半クラッチからつながっていく時の駆動系の剛性感も不満はありませんでした。

さて、散々、ほめまくってきましたが、それでは欠点はなかったのか?
「はい、ありませんでした」(笑)

 まあ、あえて言えばボディの剛性感でしょうか?路面の悪い所では車体がブルブル震えるのが感じられましたが、まあ、これも55年も経ったオープンカーと注釈を付けなくても、大したマイナスポイントにはならないレベルでした。


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そう言っては何ですが、今回乗せていただいたS800は・・・多分、新車のS800よりも優れていたのではないかと思います。
試乗から数日たちましたが、あの素晴らしい身のこなし、滑らかに回っていくエンジン、山々にこだますホンダミュージックが忘れられません。
こんな貴重な機会を与えてくださったY氏に、もう一度、感謝、感謝です。
ありがとうございました。