コルサの毎日がヒルクライム

2007年10月

サンツアーRD その2

手持ちの整理のついでに、各モデルを紹介させていただこうと思います。
思いついたままに書いているコメントの中には私の勘違いもあるかもしれませんが
温かく見守ってやってください(笑)。
(間違いなど、ありましたら、ご指摘いただければ幸いです)


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サンツアーVシリーズ3世代?(V、V-LUXEシリーズ、VXシリーズ)

左が「V」タイプ。まだ、パンタ部分にスチール部品が使われている。
(1975年頃まで?)
「V」のケージ違いなどのバリエーションは存在したのでしょうか?

中央が「V-LUXE」。国産初の、全軽合金製RDと聞いています。
(ボルトなどの小物は除く)(1975年頃?)

右が「ROAD VX」
(1978年頃~?)
「V」と「V-LUXE」は上下ボディなど共通部品のようだし、
外見も、きわめて似ている。
その点「ROAD VX」は「V-LUXE」の後継機と思われるが
共通部品は、ほとんど見られず(大きなパーツに)新設計になっている。
この「ROAD VX」の後はサンツアー中級シリーズに「V」の文字が付かなくなったと思います。

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サンツアーV-LUXE(ブイ ラックス)シリーズ
(1975年頃)

70年代、サンツアーのVラックスのバリエーションです。
奥がレーサーやスポルティーフに良く使われたショートケージのV-LUXE(ブイ ラックス)。
左が(ブイティー ラックス)やや長いケージでランドナー等に使われた。
右がV-GT LUXE(ブイジーティー ラックス)一番長いケージでワイドレシオの
キャンピングなどに使われた。
3点を良く見るとプーリーケージが違うだけでなく
パンタ部分にそれぞれのモデルネームが入っている。
コストを考えれば同じにしておいた方が良さそうだが。

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ROAD VXシリーズ(カタログにはVXの前にROADの文字が入る)(1978年頃~)

V-LUXE(ブイ ラックス)シリーズの跡を継ぐROAD VXシリーズ

右がレーサーなどに使われたROAD VX。
左は中間の長さのケージを持つROAD VX-S。
画像では2点しかないが、ROAD VXシリーズにもロングケージのROAD VX GTが存在した。
79年の店舗用カタログにはROAD VXシリーズ3種の他に
旧シリーズのV-GT LUXEのみが残されている(V-T LUXEおよびV-LUXEはなし)。

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サンツアーGT 
プーリーケージ、パンタ部などはスチール製の廉価版変速機。
80年代前半の製品だと思います。
マニア(サイクリスト)向けではないが下記の理由でここに取上げてみた。
上下、ボディはアルミ製で「V-LUXE」等と共通部品だと思います。
生産中止になった「V-LUXE」の上下ボディを流用した物でしょうか。

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サンツアー サイクロン シリーズ
70年代後半のサンツアーの最高級変速機、サイクロン。
当時、国産最軽量のRD(GTは除く)。

手前左が比較的、初期の製品。取付けボルト下の「首」が短い。
手前右が比較的、後期の製品。取付けボルト下の「首」が長い。
奥はロングケージのGT。画像では確認しにくいが「首」は短いタイプ。
ただし、「首」が長いGTタイプも存在する。
特徴的なのはワイヤーがパンタ部、中央を貫通していること。
その為、見た目が非常にすっきりしている。
シュパーブが登場するまでサンツアーといえばサイクロン?だった(かな)
初代サイクロンに憧れた我々としては後に「サイクロン」の名前がサンツアーの
中級グレードに成り下がった?のには随分寂しく思ったもの。

※サンツアーRDは、時期未定ながら、まだまだ続く?はず、多分。

10月28日 豊橋競輪場で「第25回豊橋チームピスト大会」が行われた。
この大会は未登録のアマチュアでも参加できる数少ないピスト(競輪場)でのレースだ。
極端な話、初めてピストを走る選手でもエントリーする事が出来る。
ただ実際は実業団レースに参加している選手もエントリーしている。

今年で25回を迎える地元の大会ではあるが、もともとヒルクライマーで
スプリント力のない自分は、あまり参加した事がない。
過去、参加した時もチーム員をそろえる為に頼まれて参加しているぐらいだった。

しかし、今年は久しぶり(初めてか)に自ら参加することにした。
今年は、ここ数年の中では、もっとも練習しており少し自信がついた為だ。
(その自信は、すぐに打ち砕かれることになるのだが)

チームピストは4人一組で参加する。
団体種目は「チームスプリント」という種目だ。
それ以外に選手は個人種目、2種目にエントリーできる。
個人種目は「スプリント」「4000m速度競争」「エリミネーション」「ケイリン」
の種目が用意されている。
自分は今回、「4000m速度競争」「ケイリン」の2種目を選んだ。

まずは「4000m速度競争」のレースだ。
一緒のレースに出るチームメイトでレース事情に詳しいS君の話によると、かなり
手強い選手ばかりだそうだ。
スタートはうまく決まり2番手。ただ2番手とはいえトップ選手が速すぎ集団を
引く最悪の形になってしまう。
トップ選手が先頭責任をはたした後、今度は自分が先頭責任を取りに行く。
ところがバックライン直前に他の選手にかわされてしまう。
この時点で速度は50キロ弱、レース前の自分の想定の範囲を超えている。
ギヤ比が低すぎ回転は130回転前後、これ以上の回転アップは最後まで持続しない。
後半は、ずるずると後退し6位以内に入れずポイント獲得ならず。

次のレースは「ケイリン」。
メンバーはマスターズで100勝近い勝利を挙げている元チームメイトのO氏、
現役実業団ロード選手でチームメイトのT、もとロードの愛知県代表で現BSの
(ただし選手ではなく営業だが 笑)Nなど、これまた、そうそうたるメンバー、 
エントリーは11人。
この選手達の中ではヒルクライマーの自分は完全に場違いだ(笑)

スタートは他の選手に迷惑を掛けないよう、とりあえず最後尾につける。
ただ、何人かは自分よりスプリントがないことはわかっていたので途中で、
徐々に前へ割り込んでいく。後方イン側につけていたところ、残り2周で
前の選手がアウトに切り替え外から前方をうかがっていく。
すかさず、その選手の後ろに乗ってアウトから、こちらも中段へあがる。
インに詰まる、可能性もなく、これは悪くない展開だ。

そして残り、600m、一気に速度が上がる。
これにも、うまく対応できて中段位置をキープ。
ところがさすがに、中部を代表するアマチュア、トップスプリンター達だ、
残り400mここから更にスピードが上がる。
レース後、サイクルコンピューターの記録を見ると「57.0キロ」を記録していた。
先頭集団は、当然、更に速い。
こうなるとギヤ比が低すぎた自分は、もうどうにもならない。
ジリジリ(一気にという方が本当か)引き離されていくだけだ。
結局、この種目でも8位に終わりポイント獲得ならず。

最後は、団体種目の「チームスプリント」
この種目は、まあ無難に3人で走る。
ただ、スタート直後の加速で3人がバラバラにならないよう慎重に
行き過ぎたようだ。
結局、地元のライバルチームに2秒弱の差で負けてしまった(種目別6位)。
これは、ちょっとショック(絶対負けるはずはないと思っていただけに)。

総合成績では7位に終わり最低目標の6位入賞も出来なかった。
もう少し、自分がうまく走ってポイントを挙げれれば6位はとれたはず。
「来年は、ギヤ比も合わせて、もう少し」という気持ちもあるが
「来年は、サイクリングの方がいいな」という気持ちもある。
とりあえず、競輪場でのトレーニングは続けるつもりだが、
どうなることやら。

ピスト レストア計画 その1

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先日、友人宅を訪ねると玄関先にピストが放置されていました。
友人によると高校自転車競技部の後輩が乗っていたもので愛知県豊橋市の
工房「イチカワ」さんのフレームとの事でした。
(現在はフレーム製作はしておらずサイクルショップさんになっている)。
これ、どうするの?と聞くと、ありがたいことに
「欲しければ、ただであげるよ」
「でもいらなくなっても、返しにこないでね」
とのお言葉。早速ありがたくいただくことに。ただ、「いらなくなっても返しにこないで」の
言葉の意味を後で知ることになるのだが。
まあ、いただいたとはいえ所有台数が既に限界を超えているので?
少し遊んだら、誰かに譲るか売却することになるだろうが。

全体を確認すると塗装は既に輝きを失いサビも所々出ている。
画像では判りにくいがフォーククラウンのサビはかなりのものだ。
まあ、腐食はそれほど進行していないでワイヤーブラシで磨けば再生出来るだろうと判断。
ちなみに「イチカワ」さんでは塗装も外注に出さず自ら行っていたと聞くが・・・
それで、塗装が弱いのか?

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まずはBBをはずす。左は簡単に外れたが心配どおり右ワンが完全に固着している。
以前、kokoさんのブログで紹介していただいた自作のアタッチメントを使い慎重に作業する。
kokoさんのブログで紹介していただいた作業の様子は↓
http://blogs.yahoo.co.jp/koko_car_suki/29051774.html

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次にヘッド小物をはずす。工具はパークツールの「RT-1」を使う。
ここも固着気味だが、順調に、はずす事が出来た。
余談だがホーザンにもパークと同じ様式の工具があるが(この工具に限らず)、
いまいちデザインも仕上げも垢抜けていない。
だからといってもちろんパークツールが最高とは言わないが。
ヘッドパーツは残念ながらサビがひどく再メッキしても使用は無理のようだ。
リティナー(ベアリング)だけは予備としてはずしておくことにする。

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作業台にはルーフキャリアのアタッチメントが取付けてあり
フロントフォークが固定できるようにしてある。
今回のような作業がやりやすくて便利。

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ヘッド下玉押しをはずす。工具はホーザンの「C-440」を使う。
クラウン下から「コ」の字型の工具で叩くタイプより、ずっとまともな工具だ。
延長パイプ「C-441」も使えばモールトンなどのヘッドチューブが極端に長いフレームにも適応する。
ただし、フォーククラウンや玉押しの形によって使用できない、こともまれにある。
先にも述べたとおり垢抜けしないが良い工具だと思う。
現在は、ほぼ同じ様式の工具をパークツール「CRP-1」もラインナップしている。
(パークツールの国内販売はホーザン)
画像のバックが整理整頓されてなくて見にくくてすみません(笑)。

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さて、残るはシートポストだ。
かなり深くセットされているので、いやな予感がしていたが。
画像のように万力にハンガーをはさんで、しっかり固定し、サドルに力をこめるが
思ったとおり、びくともしない。
そのままWAKO’S ワコーズの「ラスペネ」を吹きかけて1週間ほどほって置く。
一週間後、再度挑戦するも、びくともしない(腰を痛めそう・・・)。

ここにきて友人が、「いらなくなっても返しにこないで」の意味が・・・・わかった(笑)
後で聞くと、やはり知人は以前、ピラーを再使用しようと抜きに、かかったがどうしても抜けず
「もう、いらないので捨てるか」と玄関に放置していたところにコルサが現れたということだった(笑)


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ピラーは、かなり腐食しているので再使用をあきらめることに。
そこで今度はサドルをはずしてピラー先端をバイスに固定する。
これでフレームを回せば、「てこ」の原理で今まで以上に力がかかるはず。
だが、これでもピクリとも動かない(腰を痛めた・・・笑)。

さらにラスペネを吹きかけ、また1週間ほどほっておく。
再度、挑戦すると、やっと何とか動いた。ただ左右には動くけどまったく抜けてこない。
結局、長い時間、大汗をかいて、何とか抜くことに成功した。
ピラーを見ると、奥の方は、まったく潤滑剤が浸透しておらず腐食が強力で
完全に固着していた事がわかる。

ちなみにフレームを持って動かす方法も、力が入る分、やりすぎるとフレームを歪ませそう。
通常だと、BBを万力に固定したまま、回す方法を取る事がやはり多い。
(サドルのベースを挟む部分にハンドル代わりに鉄パイプを挟む)
(ピラーを水道、ガス工事等で使うパイプレンチで挟んで回す)
(ピラーに穴をあけパイプを通してまわす。特に一本ピラーなどの場合)


今回はピラーだけだったがステムも固着して抜けない事例は多い。
以前、やった古いモールトン(英国製)はきつかったですね。鉄のピラーもアルミのステムも
完全に固着していました。
それでも、自称プロショップ数件で抜けなかったと聞くと、かえってやる気がわきました(笑)
結局、両方とも抜いたけど苦労したなー。自給で工賃もらえればいいけど、
そうもいかず(笑)
まあ、今回は、比較的軽症だったといえるでしょう。

さて、このフレームどう遊びましょうか。
ピストレーサーとして競輪場で乗る気にはならないので(何台も手持ちピストレーサーはあるので)
一般公道用に改造するつもり。その為には最低、ブレーキは付くようにしないと。
でも、半端なブレーキの付け方は格好悪いので、したくないし。

そこで、これから、少し時間を掛けて作業します。
いつになるかわかりませんが「その2」でまた報告させていただきます。

2本止ピラーを素早く調整する工具について



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まずは代表的な?2本止めピラーの画像です。
一番右が    「フジタ ヒューペルライダー」
(小物類がスチール製で重く、さびやすいのが欠点でしょうか。)

右から2番目が 「カンパ スーパーレゲロ」
(レコードとは細かい部分で違いがある。ただし画像の物はなぜかコマナットがレコード。
 適当?なところがカンパらしい 笑)

右から3番目が 「サンツアー シュパーブ」
(製造はスギノ。今でも選手に愛好者も多い)

一番左が    「サカエ ロイヤルP1SL」
(機械加工による肉抜きがすごい。肉抜きパターンが違うがボルト類がチタン製のP1ESLもあった)

その他に2本止めを作っていたのはスペインのゼウスぐらいでしょうか。
ゼウスは「51クリテリウム」という製品があったと思うのですが、今回、
見つかりませんでした。
誰か、持って行ってしまったんだったけ?覚えていない。


2本止めピラーはサドルの角度を微調整可能な優れたパーツだと思います。
(ポジションにシビアな競輪選手には、いまだに愛用者も多い)
ところが最近、「2本止めピラーのサドルセットが面倒」という話をあちこちで見聞きしました。
また2本止のピラーの中古を手にするとネジの頭をナメている事が多く、
皆さん、無理して作業しているのだなと、いつも思っていました。
たまたま、自分のサドルを交換することもあり
今まで自分なりに工夫して一番、良さそうな方法を紹介します。


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まず、3種類の工具の画像
一番下がおなじみ「スギノのサドルスパナ」
真ん中がホームセンターなどで売られている安価な「ラチェットメガネ」
(正式名称ではないかもしれないが、ここでは、そう呼ぶ)
一番上が「ラチェットコンビレンチ」または「ギアレンチ」等の名称で売られている
ラチェット式スパナ。
(メーカーによって名称がまちまち)
画像の物は「ファクトリーギア」という工具専門店のオリジナルブランドで「DEEN」というもの。
スパナ部分(ボルト、ナットを回す部分と柄の部分が動き角度が変えられるのがミソ)
首振りラチェットレンチ ちなみに店頭価格 1840円前後。


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「スギノのサドルスパナ」
「メガネ」の方が10ミリで2本止めのボルトに合うようになっている。


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後ろ側からなら作業出来る。
ただ、スパナをいちいち、ボルトに掛けなおさなければならず、たくさん回すのは面倒。
また、サドルとピラーをセットしてからではサドル前側のボルトは、ほとんど調整できない。


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「ラチェットメガネ」


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「ラチェットスパナ」を使うとサドル後ろからの作業が劇的に早くなり非常に便利になる。
(スパナを左右に振るだけで、スパナを、かけ替える作業が必要ない)。


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ただ、サドル前側からだとラチェットが作動するほどスパナが左右に、ふれず作業できない。
(歯車が18ノッチで作られておりスパナが20度以上動かせない狭いところでは作動しない)

サドルをピラーにセットしてから前側ボルトを調整するのは無理だが(この工具で)、
仮固定してからでも後ろから締めたり緩めたりの作業は早いので、それなりに効率はよくなる。


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「ラチェットコンビレンチ」または「ギアレンチ」(メーカーによって名称が違う)
一番のお勧めがこれ「ラチェットコンビレンチ」。
DEENに限らず高級な「ラチェットコンビレンチ」はサドル前側の狭いスぺースでも
ラチェットが作動し緩めたり閉めたリが可能。
(歯車が72ノッチと細かくレンチが5度動かせれば狭いところでもラチェットが作動する為)


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サドル後ろからは、もちろん、楽々。


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サドル前側のわずかなスペースでも5度以上振れるのでラチェットが
作動して楽々作業可能。
柄の角度を変えて使いやすい位置で柄(ハンドル)を操作できる。


以上いかがでしたか?使ってみると本当に便利ですよ。

もし、サドル前側から作業されるなら絶対、下記の条件の物を、購入してください。
多少、高くても作業効率は劇的にアップしボルトの頭を傷める事もなくなります。
また、ナット止めのブレーキ本体のナットも10ミリが多く、そちらにも使えます。
(ブレーキのナットは樹脂などの緩み止が付いている物も多く、かたく回すのが面倒の物も多い)

1、72ノッチ(5度で作動するのでサドル前側からでも作業できる)
2、柄の角度が動かせる構造(サドルベースなどに緩衝しない位置で柄を操作できる)


※ボルトが緩すぎてラチェットが効かない場合はボルトを指で押さえるなどしてやれば
 問題なく作業できます。
 指で押さえる時、レンチが外れないように注意して押さえる様にすればボルトの
 頭を更に傷めにくくなります。

古墳時代遺跡現地説明会

今日は朝から来週のレースに向けて競輪場で練習。
そのあと喫茶店で「トレーニング反省会」と称してモーニングサービスで朝食。
(愛知県の喫茶店は午前中、モーニングサービスと言ってコーヒー代のみで、
トースト、ゆで卵、サラダ付きは当たり前なので)

それから、競輪場近くで「古墳時代集落跡の現地説明会」があるというので車に
積んである自転車を乗換え見学に向かった。

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今回、競輪場から市街地を遺跡まで移動するのに使用した自転車。
シマノの内装変速機「インターナル8Speed」を使用した
「Raleigh ラーレー RF8」
シンプルなスタイルながら内装8段変速で乗り易く気に入っている。
この自転車と「インターナル8」の詳細、使い勝手は、ご要望があれば(笑)いずれまた。


遺跡の名称は「豊橋 東側遺跡」(愛知県豊橋市牛川町字東側)と言う。
時代的には、まず縄文時代中期から古墳時代終末までで、その後、空白期があり
戦国、江戸時代の集落跡がある複合遺跡との事だ。

自分の専門は旧石器時代から縄文時代で、ちょっと時代がずれるが、
地元の遺跡だけに大変興味深い。
(単に好きなだけで本当は専門知識は、まったくないが 笑)

今回の説明会は古墳時代終末期の住居跡、16棟が確認され、その説明がメインになる。
この遺跡から2キロほど離れた地域には古墳群が知られており、
関連があるのかもしれないとの事。

この辺りは、とにかく各時代それぞれ、非常に多くの遺跡跡がある地域。
ただ、ほとんどは調査後、住宅地、工場地になってしまい記録しか残っていない。
今回の発掘調査も土地区画整理事業に伴う道路造成工事にかかる為、
行われる緊急発掘調査との事。
残念ながら、ここも調査後いずれは破壊され道路になってしまうそうだ。

いつもながら自分に財産があれば買い取って遺跡公園にするのにと思ってしまう(笑)


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発掘現場入口には遺跡から出土した物の代表的な遺物が展示されている。



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これは、ここのすぐ近くの「豊橋西側遺跡」から最近、出土した「銅鏡」。
先日、新聞でも紹介されたので中部地域の方は写真で、ご覧になったかも。
実物が見られるとは嬉しい。
古墳時代のものではなく室町時代の物との事。
中央は「亀」をかたどっているらしい。


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遺跡の全景(今回調査地域の)
北から、南側を望む。正面の山の手前周辺には多数の古墳群がある。
地形的には前方に小さな川が流れ背後の丘を越えるとすぐに豊川がある。
近くには湿地、豊かな森などがあり丘陵地帯が広がっていたと思われる。
素人考えでも水の心配はなく南向きで暮らしやすかったはず。


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古墳時代の住居跡。
豊橋美術博物館の学芸員の方が説明してくださる。
人が少ないように見えるが手前側に多数集まっている。
(ちょうど豊橋祭ということもあり、以前の縄文遺跡説明会より人数はかなり少ないが)

竪穴式住居といわれる形式で丸く見えるのは柱穴だそうだ。
土を掘り下げ、まわりに板をめぐらしたらしい。
そして柱を立て何らかの植物で屋根を葺いて住んでいたと考えられているとの事。

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古墳時代住居の、かまどの跡
多くの住居跡で「北側」にかまどの跡が見られたとの事。
そして、ほとんどのかまどは壊されており何らかの理由で家を廃棄し移住したのではと
推測されているとの事。
多くの、かまど跡からは、完全な形の須恵器が見つかっているそうで、
かまどを壊すという行為は何らかの儀式(マツリ)であったと考えられているそうだ。
(家を廃棄する際、その象徴であるかまどを壊す)
ここの遺跡は古墳時代終末から空白期があり、その後の戦国時代、
江戸時代からの遺構が発見されているらしい。


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ほぼ、南北に伸びる古墳時代といわれる「溝」のあと。
溝から出土した遺物(主に土器など)で時代を推定しているとの事。


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これは江戸時代の「砂利敷き」遺構跡。
ここでは石の上から古銭も見つかっており地鎮の意味があったのかもしれないそうだ。

最後に、ここの遺跡が保存されないのは残念だが今後調査が進んで
当時の集落の構造などが明らかになることを期待したい。

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