コルサの毎日がヒルクライム

2009年11月

28日は、けったさんに誘っていただいた岡崎のショップさんのサイクリングに参加してきました。

場所は静岡県の藤枝市、焼津市、島田市周辺です。
今回は三姉妹の父さん、くりくりさんも参加してくださるとのこと。
私は以前(15~20年も前ですが)、宇津ノ谷峠周辺の小峠を探して越えていたことも
あるのですが、お二人は地元なのでコース設定も非常に楽しみです。



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大井川の河口近くの運動公園の駐車場に集合して出発します。
この日は11月後半とは思えない好天で風もなく絶好のサイクリング日よりでした。
海岸線の走りやすいルートをのんびりと行きます。
まるで春のような画像です。



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突然、堤防沿いの地面がピンク色に!(笑)
桜海老の絨毯でした(笑)



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東名高速 日本坂トンネルなどがある大崩海岸です。
長野県と静岡県が接する南アルプスから続いている山々が海に雪崩落ちている部分です。
静岡県は、なかなか険しい地形なんですね。



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それほど標高があるわけでは有りませんが、焼津港から、やってきたわけですから(ほぼ0m)
結構な登りに感じます。
バイクは車線内でギリギリまで避けてくれていますね。



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国道150号線 大崩海岸の峠付近?から。
駿河湾に面しているのは静岡市市街地。
街の向こうに見えるのは「日本平」と三姉妹の父さんに教えていただきました。



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大崩海岸は前々から一度訪れて見たいと思っていたところです。
海岸の北側は海の上に国道!が通っています。



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「海の上の国道」から振り返ると崖の下には洞門があります。
かつては、この崖の下に道があったようです(恐ろしや)



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大崩海岸を過ぎると、またのどかな海岸線を行きます。
画像は、しらす干しの風景ですね。

自分一人で来たら、ここに限らず車の多い道を迷いながら進むことになったでしょう。
そう考えると三姉妹の父さん、くりくりさんに道案内していただけたことに大感謝です。



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昼食は、これまた念願だった(笑)東海道丸子宿の丁子屋さんです。
慶長元年創業という歴史(約400年)ある、「とろろ汁」のお店です。
このあたりは初めに書いたように、かつてサイクリングやドライブで良く通った場所だったのですが
旧道に少し入っているこの店の位置が良くわからず、今回初めて訪れました。

画像のように江戸時代とそれほど変わらない風情の建物のように見えますが、こちらで食事を
出来るのは、よほど空いている時でないと無理で現在は画像の右手に増築された立派な
鉄筋コンクリートの建物がメインのようです(笑)



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私のブログでは食事の画像は、あまり出さないのですが・・・
これは一番、基本的な定食に、お刺身をプラスした物。
いろいろな自然薯料理が楽しめる、もっと、豪華な定食もありますよ!(笑)



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さあ、腹ごしらえをしたら、次はもちろん、峠です(笑)
丸子宿から西に向かうとすぐに東海道の難所のひとつ宇津ノ谷峠になります。
今回は明治トンネルで峠越えです。トンネルですが丸子宿自体が既に坂の町ですし、
そこから短いながらも少々きつい登りを上がらなければなりません。



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明治トンネル内部にて。

宇津ノ谷峠には6つのルートがあります。
(下記①②をひとまとめにする考えもあり)
①平成宇津ノ谷トンネル(現在の国1下り車線側)、
②新宇津ノ谷隧道(昭和中期トンネル 現国1登り車線側)、
③宇津ノ谷隧道 大正トンネル
④明治トンネル、そして
⑤旧東海道、
⑥つたの細道(平安時代の道とも言われる古い道)
旧東海道と、つたの細道は歩き(自転車の場合、押し担ぎ)となります。
(明治トンネルもトンネル自体は車不可)。私は、以前、6ルート全て自転車で通りました。

話は、それますが「日本三細道」というのをご存知ですか?
今回の宇津ノ谷峠「つたの細道」、有名な「奥の細道」ともう一つ「細道」があるらしいのですが
調べてみてもわかりません。
どなたか、ご存知の方はご教授いただければ幸いです。



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宇津ノ谷峠を越えて西に下れば「岡部宿」です。
ここは岡部宿の旅籠の「柏屋」さん。(かしわ)ではなく(かしば)と読むそうです。
話好きの案内の叔父さんによれば、ここの(かしばや)さんの影響か「柏餅」(かしわもち)を、
このあたりでは(かしばもち)と呼ぶのだそうです。



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岡部宿からはオプションコースの県道81号線を進むことになりました。
このルートは小さいとは言え峠が三つほどありました。
画像は軽快に下っていくダウンヒルの様子。
かなりの山の中ですが、さすが静岡、お茶畑が見えますね。



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日も傾く中、やっと?大井川までたどり着きました。
この河川敷の立派なコースは大井川運動公園から続くマラソンコースとのことです。
(もちろん車進入不可)
自転車やランニング、ウォーキング等の多くの人が利用していました。



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最後に訪れたのは大井川にかかる蓬莱橋です。
この橋は全長897.4mもあり「世界一の長さを誇る木造歩道橋」としてギネスブックに
認定されているのだそうです。
以前は橋脚も木材だったそうですが、さすがに今はコンクリート柱になっています。
まあ、上部は木造なので今でも「世界一の長さを誇る木造歩道橋」なのでしょう。

この橋は有料で自転車100円だそうです。ただし左岸(東側)にしか料金所はないそうなので・・・
橋を渡らなくても中央まで?いければ良いという人は西側からなら・・・(笑)

私は、以前から気になっていたこの橋を渡りたかったのですが今日は少し時間が遅かったので、
また次回訪ねることにしました。

先回、ストラップの記事を書いたところ、意外に受けが良かった?ので
今度はトウクリップの記事を書いちゃおうかな?(笑)と思いサンプルを探しておりました。

そうしたら、大した物では有りませんが、またいくつかトウストラップが出てきましたので、
次の記事へのつなぎに?画像をアップしちゃいます(笑)




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1975年前後のフランスのマスプロメーカー、完成車(デッドストックを数年前に購入)を
買った時、付属していたストラップです。
「C.T.S.I  COMPETITION」とありますが私は、まったく知らない物でフランス製です。
一緒に付属していたトウクリップは「パトロード」!の物でした。



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「RECORD」とだけ文字が書かれたストラップ。
金具にイタリア製の刻印あり。
これも詳細不明。
金具の形はビンダに良く似ていますが細部の形は微妙に違いがあります。



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前回の記事にも書いた「zefal」金具刻印で革のネームが「lapize」の物。
これは、以前(90年代)、フランスの工房で作った自転車にチューブラバックとともに
付属してきた物。
その為、一本しかありません(笑)
ちなみに、その際の自転車のペダル用には日本からビンダを送ったのでした(笑)



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1975年前後のプジョー PR10LJ(デッドストック)を購入したときに付いていたストラップ。
「Lapize」とカッコいい文字で書かれています。
先に紹介したゼファール ラピーズより文字が、だんぜん、お洒落です(70年代風?)
金具には「LAPIZE」「AFA」とあり前回、ご紹介させていただいたルジュン ネーム入りと
同じ金具と思われます。



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今回、最初にご紹介した「LAPIZE・AFA」と「C.T.S.I  COMPETITION」の金具部分。
「C.T.S.I」の金具のエッジなど作りの良さ?が目を引きます。

この会社についてご存知の方が見えましたら、ぜひご教授いただきたいものです。



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前回の記事にeast_bredさんから「極東のストラップが有るのなんてちっとも知りませんでした」
とコメントをいただきました。

私も存在は知っていましたが、なぜか、この3点を、なかなか手にすることは出来ませんでした。
(やはり、三ヶ島に比べて流通量が少なかったのでしょうか)
ストラップ金具には「KKT」の文字、ストラップエンドには「□+○」のマークが入っています。
トウクリップにはカクマルのマークと裏面に「KKT」の文字が入っています。


最後にトウクリップを含むKKT、3点の画像をアップしました・・・・
こうなったら?いずれ、トウクリップの画像もアップしてみるしかありませんね(笑)

先日、「1979? コルナゴ スーパー その3」と題した記事でコルナゴの
ネーム入りストラップ、2種をご紹介しました。


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コルナゴのストラップ、2種類

その記事には下記のように書いたのですが「 メカJBさん」より、
「軽量化ストラップを是非ハカリにかけて、重量を比較を希望します」
とコメントいただきました。
言われてみれば、ごもっともな話で(笑)早速、重量を比較してみることにしました。
ただ、コルナゴの2種類だけ比較するだけでなく、当時の主流だった?ビンダも計って
みることにしました。
早速、ビンダを探していると、他にも、いろいろなストラップも見つかりました。
どうせやるなら見つかった手持ちのストラップの、全ての重量を比較してみることにしました(笑)



記事に書いた文章写し

「当時、革に穴をあけても、たいして軽量化にならないだろうと冷静に思う気持ちもありましたが
反面、「ここまでやっている」のだという「強烈なスペシャル感」に、まいってしまったのも
事実です(笑)」


まずは今回、見つかった手持ちのストラップをざっと、ご紹介していきましょう。



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例のコルナゴ、ネーム入り2種類
上の方が見るからに気合十分、穴だらけの「Super leggera」
両方とも製造メーカーは不明です。
いずれもコルナゴのネームは入っていますが金具の形状など、まったく違いますのでメーカー
あるいは製造年代が違うのかもしれません。
さて、注目の重量はノーマル46,0gに対してSuper leggeraは48,0g!?
あれ?Super leggeraの方が重いじゃん(笑)
Super leggeraは樹脂がサンドイッチされているし、その関係で重いのかなぁ、
いずれにしても、ちょっと肩透かし(笑)



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当時の主流?ビンダ。
上の方が一枚革のノーマル品。下側が革の間に樹脂を挟みこんだビンダ エキストラ。
画像を良く見ていただけると革の間に樹脂が挟まれているのがお分かりになると思います。
ビンダ43,0~53,5g平均48,7g程度。
エキストラは50,5gでノーマルよりやや重い。
コルナゴと同じく一枚革のものより樹脂をサンドイッチしたものの方がわずかに重いようです。



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これは金具にチネリ(イタリア製)の刻印が入ったもの。革には「ベルナール イノー」の
文字があります。
チネリが作ったイノーネーム入りとは、どういった経緯の商品なんでしょうか?
重量46,0g



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これはフランスの完成車、メーカー、「ルジュン」のネームの入ったもの。
ペダルにセットした後、革の先端を穴に差し込んで使います(締めやすい)。
このような形状の物は同じフランスのパトロードなどにもあったと思います(今回サンプル見つからず)
金具を見ると「AFA  LAPIZE」の文字があります。
重量53,0g



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近年、良く見かける物。
下側セットは2本とも「クリストフ」ネームですが上のセットは「クリストフ」+「AFA」セットで
売られていました。
金具は前者が「zefal」、後者が「Pm」の刻印でした。
ちなみに「zefal」刻印の物で革のネームが「lapize」の物も見かけます。
重量平均44,5g

このへんのストラップの存在は手に入らないよりましで、ありがたいのですが・・・
かつてのビンダなどを知っていると、ずいぶん頼りなく思え(革が薄く、しなやかさに欠ける)
サドルの下にチューブラタイヤを付けるぐらいの用途にしか使いたくなくなってしまいます。
(失礼ながら)



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今度は国産を、ご紹介しましょう。
探しても意外と見つからない?極東ペダルのストラップ。
金具に「KKT」の刻印がありますが革にはネームは入りません。
重量48,5g



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三ヶ島の物。
これは比較的、新しい製品と思われ「MKS」の刻印入り。
革は厚く丈夫そうには見えますがビンダと比べ、しなやかさに欠けています。
重量平均59,0g
他にも緑、赤、黄、茶などいろいろな色が用意されていました。

この他にも国産ではキャットアイの樹脂製などが売られていたこともあります。
(下で紹介する織物ではなくビニール?のような一枚ものの樹脂)


現在ではビンディングペダルの普及で、あまり使われなくなったストラップですが
競輪ではビンディングペダルの使用は禁じられている為、今でも競輪用(アマ競技者も使いますが)
として高性能?なストラップが存在します。
「三ヶ島」「藤田」、「フジトシ」等のメーカーが信頼性の高い製品を供給しています。
(公営ギャンブルの競輪ではトラブルは極力、避けなければならない)
それらの中には1セット、一万円近い物もあります。
(片側2本のバンドが1本にまとめられたダブルバックルという製品は一万円を越えます)
コルサは、ずいぶん前からピストもビンディングにしているので今は高価な競輪用のストラップは
持っていません。
(サンプルがあると良かったんですが)



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そうそう、MTBブームの頃から、いろいろなメーカーより革製ではないナイロン製の物も多く
売られるようになりました。
三ヶ島には「MS-200」と言う製品があります。
重量41,5g
三ヶ島の革製のもの(59,0g)より、ずいぶん軽量ですね。



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今度は金具部分を比較してみましょうか?
これは全てビンダの物。

あまり違いはないのですが・・・・
黄色の物だけ、ローラー部分の色が白いですね。
また赤い物だけは革に食い込むギザギザの部分が「5山」なんです(笑)
他の物は「4山」何ですけどね。

そう言えば良く見ると革の部分も違いがありますね。
その前に今まで紹介し忘れていましがビンダには、こんな製品もありました。
一番下なのですが革の上の表面にナイロン?のような生地がセットされていています。
(これだけ、中古の為、少々、汚れサビあり)
赤、黄、黒には「BIANCHI DINO」の文字があります。
これは何を表すんでしょうか?人の名前なんでしょうか?
(上の2本、白系のものには入っていません)
ビンダも他に青などの色があったはずです。
表面ナイロン?のビンダの重量は50,0g



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こちらは上からチネリ、ビンダ、コルナゴ(ノーマル)、コルナゴ「Super leggera」
画像が悪くて見にくくてすみませんが一番上のものにはチネリの「C」マークが入っています。
(先に紹介したとおり革にはベルナール イノーの文字)
2番目は先ほども紹介したビンダ。
コルナゴと比べると微妙に形が違う事がわかります。
ですからコルナゴは、やはりビンダ製ではないのでしょう。
3番目はコルナゴ ノーマル、金具にCOLNAGOの文字と先端に小さな「クローバー」マークが
入っています。
一番手前のコルナゴの「Super leggera」は革部分だけでなく金具先端にも小さな穴が
あけられています。



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上から順に三ヶ島 ナイロン製、三ヶ島ノーマル、極東ペダル(KKT)、革にルジュンネーム入りのAFA、
ゼファール、そしてPmになります。

なんと言っても特徴的なのはルジュンマークのAFAですね。
他が似たり寄ったりの金具なのに対して、独特な形状をしています。

また三ヶ島ノーマルと極東ペダルは金具と革をつなぐのにリベットを2個使うといった特徴を
持っています。
三ヶ島のナイロンは一本リベットになっていますが上部の金具部分はノーマルの物と共通のようです。



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さて最後の最後にご紹介する(笑)このストラップをご存知でしょうか?
重量の軽さで言ったら、このストラップの右に出るものはありません?(笑)
なんと言っても重量、実測21,5gしかありません。
今回、計測した、どのストラップに比べても20g以上、軽いことになります(その重量、半分程度)
コルサは、いつか超軽量マシンを作る日の為に、このストラップを80年代に購入しておきました(笑)


このストラップは国産です。皆さん、どこの製品か、ご存知ですか?


このストラップは1980年頃、シマノ デュラエースEXシリーズが独自の規格でDDペダルを発売した
時に作られたものです。
ですからデュラエースのストラップということになりますね。
のちにデュラエースAXが出た時も受け継がれラインナップされていたと思います。
ただ、使いにくかったのか実際、使用しているのを見た記憶はほとんどなく、
DDペダルを使っていた、みなさんは(私も)普通のストラップに交換してしまっていたようです。

この製品は革をナイロンに置き換えたと言う単純なものではなく金具の形状も他の物とはまったく
違います。
金具部分でナイロンベルトを折り返してからマジックテープで固定するようになっているのです。
(青色の濃い部分がマジックテープ部分)
画像の(金具の)左側部分で長さを調整する事が出来、マジックテープが適正な位置に来るように
調整する事が出来ます。



さて、今回はトウストラップを紹介してきました。
ストラップを紹介したなら次回は当然、トウクリップ?
でも、ストラップのように地味な特集は、あまりテンションが上がらず?
記事作りも結構、疲れるんですよ(笑)

ということでトウクリップの特集は・・・・あまり良いサンプルもないと思うし探すのも
大変なので(ちゃんと整理していない)多分、やらない?(爆)

※私の間違いなどありましたら遠慮なくご指摘ください。

古典ソーヨー チューブラータイヤ

先日、田爺さんを通じて某ショップさんから古いチューブラータイヤをいただきました。
いただいた物は、いずれも70年代中頃から後半の物と思われる
ソーヨーのチューブラータイヤでした。

残念ながら、いただいたタイヤは、どれも多分、20~30年ぐらいは経っていると
思われますから、さすがに空気が漏れなかったとしても使う勇気はありません。
これらは資料として保管するしかないでしょう(笑)

今回、いただいたタイヤは「#40~#50クラス」でしたから完全にピストレース用です。
そこで今回は(古典ピスト、番外編として?)70年代ソーヨーのチューブラータイヤを
取上げてみます。
70年代中頃ピストレースを走っていた方には懐かしいタイヤかもしれませんね。


70年代中頃にパナレーサーがチューブラタイヤを発表するまで国産チューブラータイヤは、
ほとんどソーヨーだけだったと思います(一般的には)
当時の物価を考えるとチューブラータイヤは、結構、高く感じたもので
(現在のように千円前後で買えるタイヤなんて、ありませんでした)
ですから当時のサイクリストはパンクすると苦労して修理し使ったものです。
最近はチューブラ用の修理キットなど手に入らないでしょう(特に縫い糸など)
そんな時代を思い出しながら当時のソーヨーチューブラータイヤをご紹介します。



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今回いただいたものは5種類ほどありました。

上の画像、手前の2本は、両者とも「50Z」ですがラベルを良く見ると片方にだけ「LATEX」の
ゴム印が押されています。
パターン、品番は同じでもチューブの材質(製法?)が違うようです。
ちなみに一番奥の「40-A」にも「LATEX」のゴム印があります。



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1977年頃のソーヨーの資料を見ると重量は下記のようになっていました。

40-A   160/170g
45     170/190g
45-A   170/190g
50Z    190/210g



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(2枚の画像、製品の並び順は一緒)
「A」の記号はタイヤのトレッドパターンを表しているようです。
資料によるとチューブラだけでも「A」から「J」と10パターンもあったようです。

上記のように品番に「-A」の文字が入っているのは「タイプA」パターンなのですが・・・
それでは「50Z」は当然「タイプZ」と思ったら、そうではなくて「タイプD」パターン
なのだそうです(笑)
ちなみに「45」はスリックですが、スリックは「タイプB」パターンだそうです。



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今回の5種類のサンプルのうち2種類の「LATEX」ゴム印の製品がありました。
「LATEX」は、もちろんチューブがラテックス仕様だという事を表しているのでしょう。

その製品を見ると(画像、右がLATEX)、バルブのところになぜか「R」の印があります。
(LATEXの「L」なら判りますが)

更に、よく観察してみると「R」の印の方(LATEX)がなぜか、バルブが短くなっています。
このバルブの違いは「LATEXチューブ」と何か関係があるのでしょうか?



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ピスト用では有りませんが70年代中頃のソーヨー ロード用チューブラーも実物がありましたので、
参考のため、この機会に画像をアップしておきます。
ピスト用のタイヤは、あまりなくても、このあたりのタイヤなら使ったことのあると言われる
ベテランサイクリストは多いのかもしれません。

品番は、ご覧のように「70」と「90」です。
私が初めて購入したロードレーサー、「片倉シルクR2-X」には、この「ソーヨー#70」が
装着されていました。
その後、練習、サイクリング用に、より丈夫な「#90」を使っていたこともあります。

ソーヨー70、ソーヨー90の重量は、それぞれ「310/330g」「340/360g」と
当時のカタログにありました。
重量からしても、かなり丈夫そうなことは想像されると思います。
でも、その後のタイヤを知っている感覚からすると重量から想像される以上に、しなやかさに
欠けるタイヤだったと思います。
(その後の時代の重量が同じくらいのタイヤでも、もう少ししなやかに感じられた)
多分、ケーシング(タイヤを構成する繊維)が太く、しなやかではない素材だったのだと思います。
(現在のタイヤでいうTPI低数値のケーシングだった?)

トレッドパターンは、一見、「50Z」に良く似ているので「タイプD」かと思ったら
「タイプE」だそうです。
複雑ですねぇ(笑)

「70」と「90」のサンプルは70年代前半のデッドストックの完成車に付いていたものを
外した為、未走行ですが、いわゆる「フンドシ」部分がはがれてしまっています。
(はずす時、リム側に貼り付いていてはがれてしまった)

ちなみのソーヨーのチューブラタイヤは「#150」まであったそうでカタログ重量は
「430/450g」となっています。
こんなに重いチューブラって一体???ツーリング用???それとも特殊な
用途があったのでしょうか???

以前、「古典ピスト シルク その1」 として
(現在も不定期連載・・・今後のネタも準備中ですよ~)
古いシルクのピストを紹介させて、もらったところ浜松市の「 丸紅山口ベニー号さん」さんから
下記のようなコメントをいただきました。


「うちにも木リムのピストがあります。今は亡き父親が、昔友人から貰い受けたものらしく、
 少なくとも40年以上前からうちにあるようですが、素性はわかりません」(後略)


イメージ 1

これは、以前、ご紹介した古い、シルクの画像。

古典ピスト シルクの記事(その1)→ http://blogs.yahoo.co.jp/corsa2003sp/33634928.html



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丸紅山口ベニー号さん所有の古い自転車。
(画像は丸紅山口ベニー号さん撮影)

シルクと同じくスポークの数がフロント32H、リヤ40Hになっています。


自転車の画像を撮っていただいた際に、いろいろ確認してくださったとのことで・・・

「リアエンドが正爪ではなく、プレスのロードエンドでした。
しかも固定ギアだと思っていたリアのシングルスプロケットですが、単に固着してい
ただけだったらしく無理に回したらフリー回転しました。
リアハブの胴が妙に太いようですし、給油口の様なものも見えますので、恐らくコー
スターブレーキ内臓だと思われます」


正直、いただいたメールを読むと純粋な競技車の姿を留めていないようでしたので
少々、残念に思いました。
しかし、送って、いただいた画像を拝見すると、かなり古い自転車であることは
間違いなく画像からは只者ではない?雰囲気が感じられました。
そこで実際に拝見させていただくことにしました。


すぐにでも見に行きたいところでしたが(笑)「古典シルク ピスト」のオーナーである
田爺さん、そして、くさやんさんも見に行きたいとのことで日にちを調整、
11月17日に丸紅山口ベニー号さんの、お宅へ伺う事が出来ました。



イメージ 3

まさしく富士山をかたどった、このチェンホイールは「日米富士自転車」の物に
間違いないと思われます。

画像では、ほとんど判りませんがBBは特殊な物で現在の物とは
(通常の左右ワン+ロックリング式とは)、まったく違います。
BBシェル前側部分に2本のボルトが付いているタイプで古い実用車などで時々、
見かける方式と同じ物だと思います。
私も実際に、ばらした事がないので正直、構造が良く判っていないのですが
2本のボルトで(コッターピンのように)BBベアリングユニットを固定しているのだと思われます。



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革が傷み先端が断裂してしまっているサドルですがサイドには「FUJI」、
「THE NICHIBEI-SHO??」(日米商会でしょうか)等の文字、
そして中央左には「富」の文字、「まん中に富士山の絵」がはっきり確認できます。
残念ながら「士」の文字は読み取れませんでした。
しかし、読み取れた文字から「富士」「日米商会」の自転車であることは間違いなさそうです。
(このサドルが、もともとの部品であるのであれば)



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ヘッドマークも残っているようでしたが残念ながら高いところに吊るされている為に
確認できませんでした。

上下とも、(無骨な)ラグ付で仕上げられています。

フォーククラウンにはブレーキ取付穴はありませんでした。
(シートステイブリッジにも穴はなし)
(また、フレーム全体にロッド式ブレーキなどが取り付けられていた痕跡もなさそうです)


画像では余り見えませんがホイールについて。
(CWの画像にも一部、ホイールが写っています)
リムは前後とも間違いなく木リムでしたが、触ってみると以前、紹介したシルクの
木リムより、かなり幅が広く感じられました。

タイヤは、変質してボロボロの状態ですがチューブラーに間違いないようです(英式バルブ?)。
しかし、普通、チューブラーといって想像されるような薄っぺらな物ではなく
WOのツーリングタイヤを思わせるような厚みがある、かなり、ごっついものでした。
こんな、厚くて丈夫な?チューブラータイヤが、かつて作られていたのでしょうか?
(ソーヨーには#150といって450gぐらい有るチューブラが、かつて存在していました)



イメージ 6

そして問題のリヤエンド、リヤハブ回り。

先にも「丸紅山口ベニー号さん」にいただいたメールに有ったとおり、
エンドは、いわゆるピストエンドではなく「逆爪」でした。
となると「残念ながらピストではないのか?」と思ってしまいますが・・・。

ところが先日、伺った某自転車屋さんには40~50年代頃に競輪で使われたという
自転車があり、その自転車は「逆爪」だったのです。

また名古屋の「Kサイクル」さんで見せていただいた日本の自転車産業が1950年代に
海外輸出用のガイドブック?として製作した資料には、やはり、逆爪の、
どうみてもピストレーサーとしか思えない完成車の写真が載っていました。

話は少しそれますが・・・
逆爪のエンドであったかは確認できませんでしたが昭和12年8月に日本人4選手が
海外遠征した(ベルリン)の際には「宮田、山口、日米(冨士の事)」の3社が
自転車を製作したと言う資料もありました。
(屋内競技場に、おけるピストレース)

それからコースターブレーキと思われるリヤハブですが・・・日本の旧車には、
あまり使われているのを見かけないと思います。

しかし、詳細は不明ながら日米富士自転車の前身である会社は戦前、
冨士覇王号(実用車)という自転車を製造しており、
その中に「コースターブレーキ」を持つ物があったようです。
冨士覇王号、製造以前に輸入販売していたラッジ号には間違いなくコースターブレーキ車がありました。



さて、以上の情報を「コルサの希望的妄想?」でまとめると・・・

もともと、ピストレーサーとして作られレースに使われた自転車を(1950年代~1960年代?)
のちに一般路上で乗ろうとし、古い冨士覇王号(でなくても良いのですが、その方が)の
コースターハブを流用して、後輪を組替えた。
しかし、それも古くなりチューブラタイヤなども傷んで乗れなくなり、そのまま放置されていた。
その頃、ハンドル、ステムは他の自転車に流用されてしまった。
一本スタンドも、もちろん街乗りに改造された頃、付けられた物のはず。
乗られなくなって放置されていましたが幸い、スクラップに出されることはなく
「丸紅山口ベニー号さん」の、お父様が引き取られて保管、今に至る・・・


※今後も、この自転車については調べていくつもりです。
  この自転車(あるいは、この手の自転車)について、ご存知の方は、ご教授いただければ幸いです。
※また、あきらかな間違いなどお気付きの点がございましたら、遠慮なくご指摘ください。
 

現在は、まったく別会社といって良い「FUJI」ですが、その歴史が語られていますので参考までに。
(フジブランドを扱うアキコーポレーションさんのHP)
フジの歴史→ http://www.fujibikes.jp/history/index.html#top

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