コルサの毎日がヒルクライム

2013年09月

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超軽量だったけど、とても高価だった為、実際に購入、
使用した人は意外に少ない・・・
そのわりには70年代半ばから80年代半ばに自転車に凝った人には強烈な印象を
残し今も熱く語られるパーツ、サカエ ESL。

そのサカエ ESLの特徴は改めて書くまでもないでしょうが「超軽量」
だったと言うこと。
それは、メーカー自ら「世界で最も軽い最軽量パーツの秀作」と広告に、
うたっていたほどです。
軽量化の手法はアルミ部分をシンプル、スリムにデザインし鍛造にて製作、
そしてアルミでは強度不足、鉄では重くなる部分をチタニウム合金で
作っていました。
(5ピンまでチタンで作るなど、その徹底ぶりはカンパ スーパーレコードをはるかに上回っていた)

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1枚目のセット画像は白黒画像でわかりにくく申し訳ないのですが今もESLを語るとき、
話題に上る?虹色のステッカー。

シートピラーの上部、ステムのポスト部上部、クランクのペダル穴近くに
鉢巻式に貼られていました。
このステッカーにあこがれた方も、けっこうみえるのでは。
このステッカーの黒帯部分に小さな文字で「Extra Super Light」
と書かれていました。

ただ、このステッカーが貼られESLの名前が付きながらチタン小物パーツを
使っていない部品があったことは、あまり知られていないようです。


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今回のサンプル、ESLステムです。
通常のESLステムとは違いますがESLステッカーは、ちゃんと貼られています。
(しかしチタン部品は一切使われておらず通常品?とデザインも違います)

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一般的に認識されているESLステム。
これにはサイドにミゾはありませんが
今回のサンプルには浅く幅広いミゾが入っています。

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今回のサンプルにはハンドルクランプボルトはチタンボルトではなく
中空のスチールボルトがセットされています。

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クランプ部は穴あけ、ステム突き出し部分も中空に加工されていることがわかります。

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前回記事に書いたロイヤルSLステムと。
ESLは台ウス(アルミ製)になっていますが・・・
引き上げ棒はチタンではなくスチール製です。
(ステンレスでもない)


と言うことで今回のサンプル「ESLステム」にはハンドルクランプボルトも
引き上げ棒にもチタンは使われていません。
NEWロイヤルSLなどに使われたステンレス製引き上げ棒も使われておらず
スチール製の引き上げ棒が使われていました。


ショップの、おやじさんに聞いた話では・・・
このチタンを使っていないESLステムは
74年か75年頃だったか、チタン部品のESLシリーズが入荷する前に
ほんの少量、入荷した。
ところが、すぐにチタン部品のESLシリーズに切り替わったので
多分、一回きりしか、入荷しなかった。
少量しか入荷しなかったし知られていなかったので
ほとんど売れなかった、とのことでした。
私が当時(10年ほど前)倉庫を捜索した際には70ミリ×1本、90ミリ×2本の計、
3本が売れ残っていました。
箱は以前のロイヤルSLの記事にアップした発泡スチロール箱に入っていましたが
なぜか、スペック表示を見るとすべて元箱ではないようでした。
(メーカーで書かれたとは思えない手書きマジックでESLと書かれていたなど)

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毎回、直前で申し訳ありませんが
「第12回 古典ロード走行会」の日時が決まりましたのでご連絡いたします。
(第12回=特別版含む)
秋は基本的に東三河で行なうということで今回の集合は愛知県豊橋市になります。
お間違いのないように。


日時  2013年10月13日(日)
     雨天の場合は「古典ロード ミーティング」に変更します。
※集合時間 調整中

集合場所  愛知県豊橋市の「万場緑地(万場調整池)」の「東側駐車場」です。
        愛知県豊橋市西赤沢町字万場
        http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=1236
        (↑ ヤフー地図へのリンクあり)
        (事務局コルサ宅を、ご存知の方。うちから南へ4キロの場所です)  
        

集合地点詳細  http://www.city.toyohashi.aichi.jp/green/park/manba_ryoku.html
           図の右側(東側)のテニスコートの道を挟んで向かい側の駐車場です。
           トイレ、水場あり。
           近所に自販機は1台のみ。
           大清水インターからコースまでに何軒かあるコンビニで調達した方がよいでしょう。

集合地点を具体的に説明すると(名古屋、岡崎、蒲郡、豊川方面から来た場合)

①国道23号線東バイパス(無料)、大清水インターを側道(左)へ降りる。
②大清水インターを降りたところ、すぐの信号を右折。
 (国道23号線バイパスを浜松方面から来た場合は、すぐ左折)
③道なりに1キロほど進むと右奥にローソンのある交差点あり。
 ここを左折。(県道409号線に)
④道なりに3キロほど進むと下り坂になり「万場調整池」の標識あり。
  標識に従って、ここを右折。(信号なし)
⑤500m+ほど、進むと突き当たりで交差点(信号なし)。
 交差点の手前、右側の駐車場(無料)が集合地点になります。
 (交差点手前、左手の駐車場はテニスコートの駐車場なので入れない)
        
       
走行コース  愛知県豊橋市西部+田原市東部周辺。
         今回は参加者のリクエストにより標高250m程度の蔵王山へのヒルクライムを
         考えています。
         距離は3.4キロですが、けっこう、きつい所もありますのでギヤ比にご注意ください。
         (あるいは、「押して」歩ける靴) 
         ヒルクライムを希望されない方は登坂口近くの公園か喫茶店で休憩もOKです。


昼食は途中の、食堂で予定しています(走行中の補給食、ボトルは各自、お忘れなく)。

詳細は下記をご確認のうえ、参加、ご希望の方は当ブログに書き込みください。
(ご質問も、ご遠慮なく、どうぞ)

基本的なレギュレーションは、この記事の最後にアップしました。そちらをご確認ください。

過去の様子はブログの書庫「古典ロード走行会」で、ご覧ください。




古典ロード走行会  基本規則

車種としては、当然、古いロードレーサーが対象となります。
下記を基本的な条件として考えていますので、よろしくお願いいたします。

車輌規定
1988年以前の生産、製作のロードレーサー(フレーム)で、
フレーム年代に準じた部品構成が望ましい(出来たら)。
(新しいフレームに古典部品という車輌は不可・・・現在のところ正規には認めていません。あしからず)

アウターブレーキワイヤーがブレーキレバー上部から出ていること。
基本、トウクリップ&ストラップペダルですが、食事など歩くことを考えビンディングペダルもOKとしています。
Rエンド幅が126mmまで
Wレバー&バーコン仕様(ロッド式とかはもちろんOK)
タイヤはチューブラでもWOでもOK。

服装、シューズは自由

ヘルメット&グローブ着用が望ましい(最新のメットでOK)
ヘルメットの着用の件ですがレースイベントではなくサイクリングですので
「自己責任においてカスク、レーサーキャップでの参加を認めます」

・参加車輌について
 高級外車?でないと「参加できないのでは」、「参加しにくい」という、ご意見をいただきました。
 まったく、そんな事はありません。
 かえって、皆さんが学生の頃、「乗っていた」、「購入を検討した」というような、懐かしい
 国産普及ロード車での御参加、大歓迎いたします。
(BSユーラシア、ナショナル エスプレッソ、富士オリンピックなどなど見たいですね)
 もちろん、すごーい外車、珍車?も大歓迎。

・前記のように、参加車輌の規定を設けていますが基本的には・・・
 「規定は設けていますが今回は細かいことは気にしません(言いません)から古いロードを
 お持ちの方は集まって一緒に走って、お互いの自転車を見て楽しみましょうよ」
 というぐらいの感じの気楽なイベントです。
 ぜひ、皆さんのご参加をお待ちしております。

・古典ロード以外で様子?を見にきていただくことも問題ありません。ぜひ、どうぞ。


第12回古典ロード参加予定
(参加ご希望の方はコメント欄に書き込みお願いいたします)
(直前のキャンセルも問題ありません)

①たきちゃん
②田爺さん
③デモ鳥さん
④かわらざえもんさん
⑤けったさん
⑥大熊猫さん
⑦事務局 コルサ

サカエのESLにつづくセカンドグレード?ロイヤルSLを懐かしむ、この企画、
今回はサカエ ロイヤルSLのステムを見ていきましょう。


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今回のサンプル、サカエ ロイヤルSLです。
幅広浅ミゾ+ホール加工が特徴的です。

ここで話はそれますが・・・
メーカーのカタログが手元にないので、正確には把握しきれていませんが
サカエ ロイヤルSL(RY-SL)には、いくつかのバリエーションがあります。

代表的な物を2、3あげると
①突き出し両側に溝が彫られたタイプ(日東パールGによく似た物)、
(狭いミゾ、やや深い溝)
②NEW RY-SLになるとチタンボルト採用のESLにそっくりなタイプ
(突き出し中空、クランプ穴あき、アルミ台ウス、ステンレスボルト)
になるようです。
そして、今回のサンプル、
③幅広浅ミゾ+ホール加工タイプです。
(これがロイヤルSL、NEWロイヤルSL全てのバリエーションではないと思います)

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特徴的な突き出し部分のアップ。
突き出しに沿って浅いけど幅広いミゾがまず掘られています。
そして大胆なホール加工が施されています。

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のちのESL及びNEW ロイヤルSLはアルミ製の台ウスになりますが、
この頃はまだ斜ウスですね。
またハンドルクランプ部の形状も違います。

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ハンドルクランプ部のボルトナットは中空の凝ったものです。
先にも書いたとおり、ESL及びNEW ロイヤルSLとは軽量化の手法が違います。
このサンプルは中空ですがESL及びNEW ロイヤルSLは
ボルトそのものを細くすることで
軽量化をはかっています。


とにかく日本のメーカーが、ここまで大胆な加工を施して販売したステム、
古き良き時代の逸品?でしょう(笑)

次回は・・・
サカエつながりでチタンボルトを使っていない「ESL」を取り上げてみましょう。

サカエのESLにつづくセカンドグレード?ロイヤルSLを懐かしむ、この企画、
今回はサカエ ロイヤルSLのチェーンホイールを見ていきましょう。

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サカエ ロイヤルSLチェーンホイールです。

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ロイヤルSLのクランクはノーマルのロイヤルと同じ物だと思われます。
トップモデルのESLはクランクの裏に鍛造時の成形と思われる溝が
ありましたがロイヤルにはありません。

※2013.9.20追記
コメントいただいたように1975年頃のロイヤルSLはクランクアームに
穴あけの施されたクランクが採用されていました。
その後、穴あけなしに移行したと思われます。

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穴あきチェーンリングが特色のロイヤルSLチェーンホイール。
私の記憶に間違いがなければサカエの穴あきチェーンリングには、
いくつかのバリエーションがあったと思います。

穴あきチェーンリングが装備されてチェーンホイールセットとして
販売されていた物に今回の①ロイヤルSL、
そして入門グレードの②アペックス 5LASL、
同じく入門グレードの③アペックス 5-MASLです。

②アペックス 5LASLと③アペックス 5-MASLには驚くべき違いがあります(笑)
その驚くべき違いとは?・・・
②アペックス 5LASLがカンパ レコードとの互換性をうたっているのに
対し③アペックス 5-MASLはデュラエースとのギヤ板の互換性を
うたっていることなのです。
すなわちアペックス ②5LASLがPCD144ミリ、
③アペックス 5-MASLのPCDは130ミリだというのです。
ということで当然、PCDの違うアペックス用の穴あきギヤ板があったはずです。
(アペックス用PCD144ミリギヤ板がロイヤルSLのギヤ板と同じ物かどうかは未確認)
(ちなみにアペックスにはストロングライト99とPCDが同じで互換性のあるチェンホイールもあった)


もうひとつ、サカエの穴あきチェーンリングのバリエーションは・・・・
これも、サンプルが見つからず画像なし、なので、判りにくいと思うのですが。
今回のロイヤルSL穴あきリングと、違うパターンの、おはなしです。
今回のロイヤルSLのリングの5ピンの左右は「エラ」がありません。
ところが穴あきリングの一部にはESLのギヤ板のように5ピンの左右に
小さな「エラ」が出っぱているタイプを見た記憶があります。

まあ、例によって、くどくど書いてきましたが、まとめてみます。

サカエの穴あきリングを装備したチェーンホイールはロイヤルとアペックスと
言うグレードがあり
(歯数差による形状の変化は基本的に無視する)
①PCDは144ミリと130ミリがある。
②PCD144ミリに「ESL風のエラ付き」と「エラなし」がある。
※ロイヤルとアペックスのPCD144ミリリングの仕上げの違いがあるかどうかは未確認。

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さて、今度は他社のメーカー穴あけリングと比較してみます。
メーカーで穴あけ加工が施されたリングと言いますと
スギノ マイティビクトリーやストロングライト105Bis、ゼウス2000などが
思い出されます。
(アレスは長穴で丸穴ではないので)
ストロングライトやゼウスはサンプルがないのでスギノ マイティビクトリーと
同マイティカスタムと比較してみます。

一番手前がサカエ ロイヤルSL(52T)
二番目の黒いのがスギノ マイティカスタム(49T)(シルバーもあり)
一番奥がスギノ マイティビクトリー(49T)

スギノの穴あけが同じ径なのに対しサカエは大きな穴と小さな穴が交互に
あけられているのが判ります。
このサカエの穴あけが、とても格好良く見えて好きなんです(笑)
ちなみにビクトリーとカスタムの違いなんですがビクトリーの方は穴あけが
施されている部分に溝が彫られていてカスタムには、この溝はありません。

次回は、いよいよ最終回?ステムを見てみます。

※間違いなどございましたらご遠慮なくご指摘ください。

サカエのESLにつづくセカンドグレード?ロイヤルSLを懐かしむ、この企画、
今回はサカエ ロイヤルSLのシートピラーを見ていきましょう。

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サカエ ロイヤルP1SLピラーです。

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いやでも目に入ってくるのが、この加工。
軽量化というよりも視覚的に訴えてくるものがあります。
当時のサカエの気合を感じさせます。
この加工は「ミーリング加工」と呼ばれるもので多くのピラーに見られるような
鍛造時や鋳造時に作られるものではなく最後に機械で加工を加えるコストのかかる
工作だと思います。
(ミーリング加工→フライス盤という機械でエンドミルと言う歯先を使い切削する)

ちなみに、このタイプはすぐに生産中止になったそうで、
その後のロイヤルP1SLピラーは機械加工のたて溝が6本とシンプルな物になったと聞きます。

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今回、通常のピラーと比較する為のサンプルを探しましたが適当な物が
見つかりませんでした。
左がサカエ ロイヤルP1SLピラー
右はサカエ カスタムP1ピラーになります。
本来、比較にはロイヤルP1が適当なのでしょうがロイヤルの手持ちが見当たらず、
もうひとつグレードが低いカスタムとなりました。
ロイヤルとカスタムは製造法が違うだけでデザイン的には、ほぼ同じです。
(カスタムは溶湯鋳造+鍛造、ロイヤルは鍛造で作られていると聞いたことがあります)
更に今回、用意できたカスタムはオリジナル状態ではなく
27.0ミリ径を26.8ミリに自分で加工したものです。
その為、本来パイプ上部前面にあるはずの「SR」マークも削り取られ消えてしまっています。

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カスタムP1とロイヤルP1SLのヤグラ部分の比較(前後)
いずれも右がロイヤルP1SLです。
カスタムP1と比較すると一目瞭然、ロイヤルP1SLのヤグラ部中央は、
大胆に溝が入っています。
この加工は、もちろんESLにも施されています。
(先に書いた「たて溝が6本」とシンプルなロイヤルSLには施されない)

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もうひとつの重要?な違い。
ベースワイヤーを受ける部品の取り付け部分にご注目。
右のロイヤルP1SLには穴明け加工が施されています。
この加工はカンパ スーパーレコードなどにも施されていますしESLにも施されています。
これも手間の掛かる作業でコスト高につながったと思われます。
その為か「たて溝が6本」とシンプルなロイヤルSLには施されなかったようです。

また、ヤグラ部分にある「SR」マークにも注目してください。
右のロイヤルP1SLにはSRマークが明瞭に入っていますが左のカスタムでは不明瞭です。

※間違いなどお気づきの点がございましたら、ご遠慮なくご連絡ください。

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