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↑↑、↑皆さんは、こんな道具をご存知でしょうか?見たことがある方でも「靴屋の道具で自転車屋さんには関係ないだろう」と言われる方も多いかもしれません。でも以前は自転車競技者や本格的なサイクリストは、この道具にお世話になったのです。(今回は第一カテゴリーを自転車専用工具としたのは、そういった経緯です)
その使い方を見る前に本体の文字を見てみましょう。片面には「FUJI」、「TENGU」とありますね。横文字で書かれてはいますが、いかにも日本的な、これらの文字はメーカーあるいは、そのブランドと思われます。もう片面にある「
UNBREAKABLE」の文字は「壊れない」などと言う意味だそうです。「HANDY」の文字は、この道具が(靴屋さんでは)卓上台金と呼ばれる簡易的な?ものらしく、それを「HANDY」という風に表しているようです。

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↑使い方としては、このような向きにセットして・・・靴のサイズ、使いやすい位置によっては上下が逆になります。

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↑このように靴を載せて(被せて)使います。
80年代頃まではレーサーシューズの底は革で仕上げられていて、そこに金属、プラスチック、革などで作られたシュープレート(クリート)を釘で打ち付けていたのです。

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↑これはサイクリングシューズにアルミ製シュープレート(クリート)を仮置きしたところ。これから釘で打ち付けていきます。現在のレーサーシューズのように可動式のクリートを固定できるようには最初から作られておらず大変な作業をしないと競技用シューズや本格的サイクリングシューズは使えなかったのです。ただ、やっとのことで釘打ちして固定しても位置が気に食わなかったら、また釘を抜いて付け直さなければならず、とてもとても面倒だったんですね。

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↑↑、↑それを改善したのが、このシュープレート(クリート)。70年代のコルナゴシューズにつけられたシュープレート(クリート)は可動式になっています。
ちなみにシュープレート(クリート)のメーカーはコルナゴとは直接の関係はありません。たまたま、靴の持ち主が当時、選んでして取り付けたものです。

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↑しかし、そのベースは、しっかり釘で革底に打ち付けられているのです。

 

70年代中頃からデッド ピエトロ、シディ チタニウムなど可動式シュープレート(クリート)がネジ止めされ調整できるようなレーサーシューズが販売されるようになってきて釘打ちのシュープレート(クリート)は衰退していきました。それにともない今回、ご紹介した台金(卓上台金)も自転車屋さんでは使われなくなりホコリをかぶっていったのです。