コルサの毎日がヒルクライム

カテゴリ: 自転車専用 工具

以前、中古のロードレーサーを買って各部を点検していたところ、キレイに見えたイタリア製のヴィンテージ?ハンドルバーが大きく曲がっているのに気が付きました。
ほとんどキズもないのにもかかわらず下ハンが大きく中に曲がっていたのでした。

その事を競輪選手に嘆いたところ「競輪場にはハンドル修正機がありますよ」とのこと。

後日、同行してもらい、そのハンドル修正機で競輪選手に修正してもらうことにしました。

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↑これが、そのハンドル修正機!!!

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↑左のプレートには「ハンドルバー修正機 No.3」、「製造 バリー工業」とあります。また、右のステッカーには「取得日 1969..27」と書かれています。

どうやら1969年前後に製造されていた古い機械のようです。

製造した会社のバリー工業という会社は今では・・・

調べてみると簡単に見つかりました。

バリー工業HP⇒ http://valley-kogyo.jp/

今ではハンドル修正機は製造、販売されていないようですが競輪の発走機(競輪選手がスタートの際、自転車を固定する装置)など公営競技 競輪で使われる機械を作っている会社でした。

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↑ハンドル修正機の使い方は・・・

  1. 1枚目の画像の上方にハンドルバーの上の部分を仮置きし下の左右部分にある丸い所にハンドルの先端を通します。
  2. 次に、その状態でハンドル上部を、しっかり固定します。
  3. そして一番下にある、いかにも丈夫そうな軸の一番外側にある穴に付属の操作シャフトを通します。
  4. そして操作シャフトを回してハンドル下部の先端を曲げ戻したい方向に動かしてハンドルを修正するというものです。
  5. メジャーで測定しながらハンドル左右及び全体の寸法を測りながら微調整、修正していきます。

競輪選手の奮闘の、お陰で私のハンドルバーは・・・
確かにハンドル幅は表示通り戻りましたが途中の部分の微妙な曲がりが直しきれませんでした。
というか・・・「要するに曲がった部分と少し違うところが曲がることによってハンドル下部先端の幅はピッタリに戻った」のですがハンドルカーブ部分に微妙な「うねり」が出来てしまったのでした(泣)

やはりアルミ製の大きく曲がったハンドルの修正は難しいのでしょうか。

それ以上にアルミという素材上の特性で大きな修正は折損の可能性もあります。

まあ、60年代から70年代頃の競輪選手のハンドルはスチール製が多く少しくらいのハンドルの曲がりは修正してトレーニングしていたのでしょう。

競輪選手の友人が奮闘してくれたのに私のハンドルがキレイには治らなかったのは残念ですが、こういった機械が競輪場にはあって使われていたということ知ったのは興味深い経験でした。

余談ながらこの修正機で修正出来るハンドル幅は現在のロード選手に使われているようなハンドル幅では対応出来ないくらいに狭かったような記憶があります(正確な数値は忘れてしまったけど)。この機械が造られたのが古く今の選手のように体格の大きな選手少なかったこと、また競輪選手は集団の中で少しの間隔でも前に入っていくために狭いハンドルを使うことが多いからと思われます。

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↑ミノウラ ワークスタンド
W-3100に自転車をセットしてみると・・・・

見てのとおり、なぜかセット位置が、かなり高い。まあ、立って駆動系を取り付け、調整するのにはちょうどいい高さかもしれませんがサドル、ハンドル回りの組付け、調整は私には、どう考えても高過ぎます。

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↑測ってみるとトップチューブをつかんでいる部分の高さが約140㎝もあります。

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↑高さの調整機構は見当たらないのでパイプに穴をあけて下げることにしました。加工後の高さは約100㎝。もう少し下げても良い気もしましたが次に紹介する機構を考えると低くし過ぎると・・・

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↑↑、↑期待していた機能はこれ。クランプする部分が稼働します。多くのスタンドは縦につかむ機能はありませんが、このW-3100には縦につかむよう調整できるのです。

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↑↑、↑このようにトップチューブがなくて通常のワークスタンドで固定出来ない車両(特にミニヴェロ、ミキスト車など)には非常に便利なのです。

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↑トップチューブの水平な車両をセットしてみたところ。(わかりにくい画像ですみません)まだ少しセット位置が高いような気もしますが、この高さにしたのは訳があります。というのは紹介した角度変更機能を使用すると前輪、後輪が床面にあたってしまうので折衷案として100㎝にセットしました。今のところ、この辺りで自分自身使いやすくなっていると思います。

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↑さて、ここまで大変気に入っているのですが・・・意外というか残念なポイント。それが、この部分。これはクランプ部の角度を調整する部分なのです。ワンタッチで簡単に角度は調整できるのですがガタが大きいのです。

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↑さらにアップしたところ。時計の「12時」にあたる部分にある板上の部分がギヤ状になったものにかみ合って角度がセットできるようになっています。

少し残念なのは、この部分の「ガタ」が大きく自転車作業の際に自転車の揺れが大きいこと。まあ、この部分の精度を上げるのはコストの問題と角度のセットがしにくくなってしまうだろうからある程度仕方ないでしょうか。

↑もう一点、少し気に入らないのは工具置きスペース。まわりの穴にドライバーとかスパナを刺したり引っ掛けるのでしょうが私の使う工具とは相性が悪いようで、あまり使いやすいとは思えません・・・

まあ、ワークスタンドとしての総合評価の満足度は高いのですが。少し高いけど買って良かった。

 

昨年、自転車組立、整備用のワークスタンドを入れ替えました。

以前から使っていた物(RS―5000)を知人が、どうしても欲しい、というので思い切って以前から気になっていた物に入れ替えたのです。

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↑新しく購入したのはミノウラ W-3100。メーカーホームページには「ヘビーデューティーワークスタンド」とあり個人向けというよりはショップ向けのタイプです。

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↑ふむふむ

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↑↑、↑パーツはこれだけ。袋類から取り出して。

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↑説明書も、ちゃんとあります。

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↑組み立て終わりました。
しかし、組み立ててみると期待通りだったり、意外な部分があったりして。

 

詳しくは次回。

メーカーHP
http://www.minoura.jp/japan/tool/tool.html

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↑パンク修理の際、パッチをチューブに密着させる時に使うのが今回、ご紹介するパンク修理ローラーと呼ばれる工具です。
アマチュアではあまり使わない工具ですが・・・自転車屋さんのパンク修理には、かかせない?道具となっています。
また余談ですがモーターサイクルや自動車でもチューブ式タイヤを使っていれば、そのパンク修理に使われています。自動車のチューブともなるとパッチも大きくなるので今回の物よりローラーの幅が、ずっと広いものも使われています。

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↑↑、↑先端の様子。

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↑このようにパンク修理の際、パッチを密着させるのにパンク修理ローラーで、しっかり圧着するのです。
単純な工具ではありますがプロのパンク修理には、欠かせない?道具です。

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↑↑、↑皆さんは、こんな道具をご存知でしょうか?見たことがある方でも「靴屋の道具で自転車屋さんには関係ないだろう」と言われる方も多いかもしれません。でも以前は自転車競技者や本格的なサイクリストは、この道具にお世話になったのです。(今回は第一カテゴリーを自転車専用工具としたのは、そういった経緯です)
その使い方を見る前に本体の文字を見てみましょう。片面には「FUJI」、「TENGU」とありますね。横文字で書かれてはいますが、いかにも日本的な、これらの文字はメーカーあるいは、そのブランドと思われます。もう片面にある「
UNBREAKABLE」の文字は「壊れない」などと言う意味だそうです。「HANDY」の文字は、この道具が(靴屋さんでは)卓上台金と呼ばれる簡易的な?ものらしく、それを「HANDY」という風に表しているようです。

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↑使い方としては、このような向きにセットして・・・靴のサイズ、使いやすい位置によっては上下が逆になります。

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↑このように靴を載せて(被せて)使います。
80年代頃まではレーサーシューズの底は革で仕上げられていて、そこに金属、プラスチック、革などで作られたシュープレート(クリート)を釘で打ち付けていたのです。

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↑これはサイクリングシューズにアルミ製シュープレート(クリート)を仮置きしたところ。これから釘で打ち付けていきます。現在のレーサーシューズのように可動式のクリートを固定できるようには最初から作られておらず大変な作業をしないと競技用シューズや本格的サイクリングシューズは使えなかったのです。ただ、やっとのことで釘打ちして固定しても位置が気に食わなかったら、また釘を抜いて付け直さなければならず、とてもとても面倒だったんですね。

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↑↑、↑それを改善したのが、このシュープレート(クリート)。70年代のコルナゴシューズにつけられたシュープレート(クリート)は可動式になっています。
ちなみにシュープレート(クリート)のメーカーはコルナゴとは直接の関係はありません。たまたま、靴の持ち主が当時、選んでして取り付けたものです。

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↑しかし、そのベースは、しっかり釘で革底に打ち付けられているのです。

 

70年代中頃からデッド ピエトロ、シディ チタニウムなど可動式シュープレート(クリート)がネジ止めされ調整できるようなレーサーシューズが販売されるようになってきて釘打ちのシュープレート(クリート)は衰退していきました。それにともない今回、ご紹介した台金(卓上台金)も自転車屋さんでは使われなくなりホコリをかぶっていったのです。

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