コルサの毎日がヒルクライム

カテゴリ: 一般工具

s-DSC03534

s-DSC03533
↑↑、↑皆さんは、こんな道具をご存知でしょうか?見たことがある方でも「靴屋の道具で自転車屋さんには関係ないだろう」と言われる方も多いかもしれません。でも以前は自転車競技者や本格的なサイクリストは、この道具にお世話になったのです。(今回は第一カテゴリーを自転車専用工具としたのは、そういった経緯です)
その使い方を見る前に本体の文字を見てみましょう。片面には「FUJI」、「TENGU」とありますね。横文字で書かれてはいますが、いかにも日本的な、これらの文字はメーカーあるいは、そのブランドと思われます。もう片面にある「
UNBREAKABLE」の文字は「壊れない」などと言う意味だそうです。「HANDY」の文字は、この道具が(靴屋さんでは)卓上台金と呼ばれる簡易的な?ものらしく、それを「HANDY」という風に表しているようです。

s-DSC03540 (2)
↑使い方としては、このような向きにセットして・・・靴のサイズ、使いやすい位置によっては上下が逆になります。

s-DSC03537 (2)
↑このように靴を載せて(被せて)使います。
80年代頃まではレーサーシューズの底は革で仕上げられていて、そこに金属、プラスチック、革などで作られたシュープレート(クリート)を釘で打ち付けていたのです。

s-DSC03531
↑これはサイクリングシューズにアルミ製シュープレート(クリート)を仮置きしたところ。これから釘で打ち付けていきます。現在のレーサーシューズのように可動式のクリートを固定できるようには最初から作られておらず大変な作業をしないと競技用シューズや本格的サイクリングシューズは使えなかったのです。ただ、やっとのことで釘打ちして固定しても位置が気に食わなかったら、また釘を抜いて付け直さなければならず、とてもとても面倒だったんですね。

s-20201022_150011 (2)

s-20201022_150018
↑↑、↑それを改善したのが、このシュープレート(クリート)。70年代のコルナゴシューズにつけられたシュープレート(クリート)は可動式になっています。
ちなみにシュープレート(クリート)のメーカーはコルナゴとは直接の関係はありません。たまたま、靴の持ち主が当時、選んでして取り付けたものです。

s-20201022_172202
↑しかし、そのベースは、しっかり釘で革底に打ち付けられているのです。

 

70年代中頃からデッド ピエトロ、シディ チタニウムなど可動式シュープレート(クリート)がネジ止めされ調整できるようなレーサーシューズが販売されるようになってきて釘打ちのシュープレート(クリート)は衰退していきました。それにともない今回、ご紹介した台金(卓上台金)も自転車屋さんでは使われなくなりホコリをかぶっていったのです。

s-DSC01251
↑先日、廃業したサイクルショップさんから譲り受けた大量の工具の中にこんなスパナがありました。

ただの古ぼけたスパナ?確かにおっしゃる通りなのですがよく見ると・・・

(全体の仕上げはメッキではなく黒っぽい仕上げです)

 

s-DSC01288
KYOTO KIKAI COLTDの文字があります。

そして左の一番端にあるマークは・・・

s-DSC01289 (2)
↑拡大してみると〇の中に「京」の文字。

 

ここで「KYOTO KIKAI COLTD」の表記について考えてみます。

現在、工具で京都と聞けばKTCマークで知られる京都機械工具㈱を思い浮かべますよね?

ところが、いろいろ調べてみるとKYOTO KIKAI COLTDの表記の工具は現在流通している京都機械工具㈱の製造ではないようなのです。

(京都機械工具㈱と京都機械㈱紛らわしくてすみません)

KYOTO KIKAI COLTDのの表記の工具を作っていたのは京都機械㈱という会社のようです。

ウィキペディアを見てみると京都機械㈱は戦前から工具を製造、海軍に納入していた染色機械工具メーカーとのこと。

そして、1950年頃、不況により工具部門の整理縮小が行われたのだそうです。

KTCマークで知られる京都機械工具㈱は1950年に京都機械㈱を退社、独立した人たちを中心にして設立されたようです。

当時の商標は「京」の字を円形にした「工」の字で囲ったもの。工の字が二重丸に見え、「二重京丸」(二重丸京とも呼ぶ)として親しまれたといいます。

 

s-DSC01289 (2)
↑そこで改めて先ほどのマークを見てみると「二重京丸」ではなく「一重京丸」です。
京都機械㈱の工具には「一重京丸」のマークが入っていたそうですが・・・

ただ、複雑なのはKTC京都機械工具㈱の工具も「二重京丸」から後に「一重京丸」になったようです。

では、この工具はKTC京都機械工具㈱なのか?、京都機械㈱なのか?

一説にはKTC京都機械工具㈱が製造を始めた直後から「二重京丸」とKTCの文字、両方が入っていたようなのですが今回のサンプルにはKTCマークはありませんし何より会社名の表記がKYOTO KIKAI COLTDですから、今回のサンプルは、やはり間違いなく京都機械㈱で作られたものでしょう。

先に1950年、京都機械㈱の工具部門の整理縮小が行われたと書きましたが会社自体は近年まで存続していたようですし工具部門も整理縮小ですから1950年頃に完全撤退したわけではないようです。

ということで今回のサンプルが1950年以前に作られたものかどうか断定はできませんが可能性も否定できないと私は考えています。

そういえば店主は昭和4年生まれで戦中は豊川海軍工廠で働いていたこともあったそうです。

もしかして戦前、戦中に海軍に納入されたものかも?想像は尽きません。

※文章が下手で長々と書いてしまい失礼しました。

※当方の間違いなどございましたらご教示いただければ幸いです。

s-DSC01253
↑最後に反対側を見てみましょう。NICKELCHROMEVANADIUMの文字が入っていました。

戦中、戦後間もない時代はニッケルクロムバナジウム鋼が貴重で材質を売り物にしたかったのではという話をどこかで読んだことがあったような気がしますが・・・


もうずいぶん前にテストしてみたロックタイト社の
フリーズロック&リリースを実験した際の画像が出て来たので
記事を書いてみることにしました。

イメージ 1

この製品はスプレーを吹き付けることによって瞬間冷却。
冷却によって収縮したボルトナットなど、さび付いた部分に隙間を
生じさせ更にその隙間に高浸透性潤滑剤をしみ込ませるというもの。
そのショック フリーズ効果によって、さび付いたネジなどを
緩ませようというもの。

イメージ 2

実験時の気温は・・・28度少々。

イメージ 3

温度計の先端に直接、ロックタイト社のフリーズロック&リリースを
吹き付けてみます。
すると冷却によって凍結?したようです。

イメージ 4

その結果、気温で28度少々あった温度計の目盛りは・・・
目盛りのあるマイナス20度をはるかに下回りました。

イメージ 5

早速、さび付いていた鉄フレーム、鉄ピラーに吹きかけておき、
後日、抜きにかかると、あっさり抜くことが出来ました。
これはロックタイト社のフリーズロック&リリースの威力か?
それとも気合のせいだったのか?
せっかく買って試したのですから
「フリーズロック&リリースの威力のおかげ」
としておきましょう。

そうそう、テスト時は気温が28度ほどありましたけど、これから
気温はどんどん下がってきます。
フリーズロック&リリースのショック フリーズ効果は
どうなのでしょう。
気温がある程度高い時の方が冷却による収縮率が大きく出そうな
気がしますが・・・いかがでしょうか?
(気温が低くなると部品自体が、その時点である程度収縮しているはずなので)

「最近では」なくて、もう、ずいぶん前から自転車界では新素材の
導入が著しい。
特殊なアルミ合金、チタン、カーボン、ケブラー等々、こんな凄い素材を、
ごく普通のアマチュアが使っている(趣味の)世界は、ちょっと他に
ないんじゃないのかと思うぐらいです。

こういった凄い素材を導入する主な目的は、やはり軽量化の為でしょう。
(でも例えば・・・何万円もするカーボンのピラーを締め過ぎて割れたなんていう悲劇が?)
そういった新素材による軽量パーツの導入で問題になるのが
「ねじの締め具合」、「トルク管理」。
そこで、今回はトルクレンチ、KTCのデジラチェNo.GEK30-C3Aを
取り上げます。
この製品は「パワーセンサー搭載固定グリップ」
(グリップのどの位置を握っても正確なトルクを割り出す感度センサーを内蔵)
を搭載ほか、いろいろな優れた特徴があります。

イメージ 1

画像下が今回取り上げるKTCのデジタルラチェットです。
トルクレンチにもいろいろなタイプがあります。
たとえば画像の上はダイヤルゲージ式と言われるタイプ。
他にもビーム式、プレセット式等があります。

イメージ 2

KTCのトルクレンチシリーズの名称、デジラチェ(デジタル+ラチェット)、
デジタルはトルク表示を表しているのは当然ですが
「ラチェット」と名前がついているのは・・・・?

「トルクレンチとして使わなくても気軽にラチェットレンチとして使ってもらいたいから」
ということのようです。
(なおデジラチェはKTCの登録商標とのこと)
さて、そのデジタルラチェットも各種用意されているのですが、
今回選んだタイプはデジラチェNo.GEK30-C3Aです。

KTCのデジラチェにも各種ある中で、これを選んだ理由は主要な目的が
「自転車関係の使用」になる為。
自転車関係ですと他の用途(自動車、一般機械など)に比べて「小トルク」の
管理が必要な部品が多くなります。
そこでトルク測定範囲の中で最も低トルク(2~30N・m)の測定が可能な、
このタイプを選びました。

イメージ 3

デジラチェNo.GEK30-C3AとKTCの一番小さいコンパクトショート
ラチェットハンドルBRC3Sとの比較。
確かに以前のトルクレンチに比較するとコンパクトなデジラチェですね。

イメージ 4

機械、工具に詳しい方なら当たり前のことですが念の為。
トルクレンチを買っただけではトルクの測定は出来ません。
あなたの測定したい(締めたいネジ)に適合したツールが必要です。
例えば上の画像はヘキサゴンソケット。
(自転車界では、なぜかアーレンキーソケットと呼ぶ)
左から4、5、6、7、8ミリ。8ミリというのは、自転車だけでなく
一般的にも、ほとんど使われていないサイズですが古いフランス車の
一部には時々、使われていることがありフランスの旧車をいじる
人には欠かせません?

イメージ 5

これはナット、ボルトを回す、いわゆるソケット。
いきなりセットで買ってしまえば安心ですが自転車に限らず自分の使う
サイズのみ順番に揃えていけば良いでしょう。
こんな単純に思える物でも製品の質がありますから安いからと飛びつかず、
ちゃんとした製品を選ぶのが肝心です。
精度の高い良い製品はネジ自体も傷めにくくなめにくいものなのです。

イメージ 6

話が後先でしたが先の画像で紹介した工具を差し込む部分の画像です。
(右がソケット)
(左はデジラチェではなく通常のラチェットレンチ、デジラチェも同じ形状)
この部分を「差し込み角寸法」などと言います。この部分の規格は
世界共通で、通常使われているサイズは3種類(工業用にはもっと大きな
サイズもある)でインチ表示で1/4SQ、3/8SQ、1/2SQなどがあります。
今回のサンプル、デジラチェNo.GEK30-C3Aは3/8SQになります。
(ミリ表示に直すとそれぞれ6.75ミリ、9.5ミリ、12.5ミリ)
このサイズがあっていれば他メーカーでも互換性があります。
(メーカーによって公差があるので着脱に若干のフィーリングの違いが出ることもあります)

イメージ 7

全長が211ミリとコンパクトなので使いやすい?
トルク値を見ながら作業出来ますし、先にも書いた通り、またメーカーが
アピール?するようにトルクレンチとではなくラチェットレンチとして
気楽に使うこともできます。
(でも、ラチェットハンドルだけの方がコンパクトで軽いけど)

トルクレンチを使えば、これで、もうトルク管理は大丈夫・・・
と言いたいところですが難しいのがネジの世界???

例えば簡単な例を挙げれば・・・
「グリスを塗らないでそのまま組んだネジ&ナット」と
「グリスをしっかり塗ったネジ&ナット」
では同じトルク数値が出たとしても同じだけしまっているのか?

ネジの世界は奥が深い?(笑)

今回、「一般工具シリーズ」で、ご紹介するのは・・・
「Nail File」(爪ヤスリ)です。

さすがに爪ヤスリを工具として取り上げるのは、どうかと思ったのですが
製造メーカーはニッパー、ペンチなどで海外でも有名と言われる
「マルト長谷川工作所」だったので、ここで取り上げさせていただくことにしました。

「マルト長谷川工作所」と言っても工具に詳しい方でないと
ご存じないのかもしれませんが「KEIBA」ブランドで売られるペンチ、ニッパー等の、
いわゆる「握り物」がとくに有名なようです。

模型好きの方は「マイクロニッパー」などでご存知かもしれません。
(マイクロニッパーは中国製の偽商品まで出回ったことがあるほどの人気商品)
それ以外にも理美容分野のニッパー型爪切りに力を入れているようです。
(理美容分野は下記HP、右下の「つめきり文化研究所HP」にて)


マルト長谷川工作所さんのHP
http://www.keiba-tool.com/keiba/

イメージ 1

今回ご紹介する両面爪ヤスリ。
HPではトップページの右下にある「つめきり文化研究所HP」から製品等を
見ていただけますが・・・
「爪ヤスリの単品のみ」は載っていないような??
(ニッパー型爪切りとセットになっているものは掲載あり)

イメージ 2

HPでは探し方が悪いのか、単品の画像を見つけられませんでしたが、
このような形で売られています。
流通価格は、だいたい、800円前後だったと思います。
この画像の包装された状態でも約13センチと小さいのでバッグなどに入れておいて・・・
ちょっとした時に女性にプレゼントすると(値段の割に)喜ばれること請け合いです?(笑)
ただし、販売店を見つけることが、意外に難しいかもしれません。
直接、現物を見て購入するには理美容用品の専門店か工具専門店に
聞いてみるのが良いかと思います。

イメージ 3

イメージ 4

裏と表はこんな感じ。

イメージ 5

イメージ 6

アップにしてみました。
まあ、先の画像とそんなに変わりませんが一応(笑)
表面?(MARUTO)の文字がある方は、面白いパターンになっていることがわかります。

このページのトップヘ