メルシェ その3 (分解編?)



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未使用のままとはいえ30年前後、眠っていたものですから、そのまま使うわけにはいきません。
まずは各部をチェックしていきます。

例えば、こんな状態の部分もありました。
まあ古い物でも普通、チェーンを外してしまうとチェンホイールは、ぐるぐる回るものですよね。
ところが、このメルシェは、クランクに力を入れても、まったく回りませんでした。
完全にグリスが粘土の様に固まっていたのです。
(分解後、グリス除去のケミカルでもBBベアリングに固着したグリスが、
 なかなか溶けないぐらいでした)

逆にヘッド小物はグリスがゆるゆるになって、すごく回るようになっていました(笑)
その点、いつも思うのですが70年代のカンパのグリスは優秀で見た目も回転もなんら
不具合が感じられないような気がします。
(見た目は問題なくとも変質しているのかもしれませんが)


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気になったのは、このワイヤー処理。
ワイヤーは切りっぱなしでキャップなどは被せてありません。

短い位置で切って終わり・・・ですね。すでに、ほつれてしまっています。
磨く時に不用意に作業しているとワイヤーの切り口で痛い思いをすることになります。
インナーキャップなどはFD、ブレーキ前後、どこにも被せられていませんでした。
もちろん、フランスの高級車のようにキャップはしてないけど
「ちゃんとハンダ付けしてある」なんていうことはありません。

良く見るとワイヤー固定のボルトの角も少しなめていますねぇ。


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シフトワイヤーと同じようにブレーキワイヤーも短く切るのがメルシェの流儀だったようです。
現在はRDワイヤーのみは入替えてキャップを被せてありますがFDと前後ブレーキは、
そのままの状態にしてあります。
これは近々、アウター、インナーとも現在の物に入替えるつもりです。
(オリジナルは保管しておく予定)


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安心して乗る為に、分解して手入れしていきます。
グリスが使われている部分はグリスを入替え、金属の部分はサビ取り、磨き、
そのあと、さび防止の為オイル分を塗っておきます。

樹脂、ゴム部分はアーマーオールなどで手入れしておくことにします。


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出来るだけ分解して各部に油分を与えておきます。
例えばFD(サンプレックス)も、こんな感じで手を入れていきます。
完全に分解したのち、組みなおします。

あ、そうそう、すっかり忘れていましたがFDは現在違う物に変わっていました。
オリジナルはスライド式でしたが現在はパンタグラフタイプに交換しています。
これは、好みとかで交換したのではなく入手して何年か経った時に樹脂部品が割れていたんです(泣)
(画像、中央上部の黒い部品が後日、破損)


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ばらした小物類は(スチール部品)、こんな感じ。


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さび防止の為、オイル分を吹きかけておきます。
ベアリング類は、いったん洗ってグリスを使って組み込みます。


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フリー本体は、隙間から内部にオイルを吹き込む程度にして、ばらすのは止めて置きます。
ただしスプロケットは一度、すべて外してグリスをしっかりネジに塗って組み直しておきます。

余談ですが古い外国のフリーはトップギヤが本体と一体式で外れない物、
ロー側の2~3枚をスポーク側から外す物など、いろいろな形式がありますから
分解にも注意が必要です。


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BBをバラしていたら、こんな衝撃映像が!(笑)
画像は、いうまでもなくBBシャフトなんですが・・・

まわりに、こびり付いているのは何かわかりますか。
なんと「切り粉」(鉄片)なんです。
その厚み、形状からパイプをカットしたり、ざぐったりした際に発生したもののようです。
パイプを加工した後、パイプ内部に落ちた「切り粉」に注意を払う事もなく、
そのままロウ付けしてしまっているのでしょう。

当初は切削時などに使う油分でパイプ内部に貼りついていた物が長年の間にBBラグ内部に落ち、
シャフトのグリスに、くっついてしまったのだと思います。
しかし、これはひどいですね~、
こんなの、今まで見た事がありません(笑)


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発見当時からのバーテープ、バーエンド。当然、30年以上前に巻かれたものです。
テープの間から2,3ヶ所ハンドルバー自体が見えています。
雑な巻き方ですね。
バーテープはメーカー不明のビニール製ですが表面に模様が付けられており
意外に滑りにくいものです。
また、バーエンドのゴムはベロックスではなく、やや細身の物が使われています。
これもノーマークでメーカー不明。

これを「すーさん」式に解釈するのなら・・・
「恐らく金曜夕方のマドモアゼルの仕業でしょうね、デートの時間が気になっての
 やっつけ仕事とみました(爆)」
ということになるのですが(笑)


次回は、いよいよ部品を見ていきます。