コルサの毎日がヒルクライム

2016年06月

この記事では皆さんがあまり接することのないと思われる通称、
ブロックタイプという駆動系を見ていきます。

その1では
「通称ブロックタイプといってもブロックタイプだけではなくローラー式もある」
ということを検証したのですが名称は、やはり、比較的浸透していて、
なじみ深いと思われる「ブロックタイプ」のままで進めていきます。
(※私の間違いなどお気づきの点がございましたら遠慮なくご指摘ください)


以前の記事で・・・下記のように書きました。
今回はその中でも②「偶数歯しかない」について見ていきたいと思います。




この駆動系、ほとんど実物を見たことがない人が多いせいか
①普通のギヤから一つごとに歯を削ったものとか、
②だから偶数歯数しかないとか、
③外国製品しかないとか、
あるいは通称がブロックタイプと呼ばれるように
④ブロックタイプのチェーンしかない、とか、
良く言われますが①~④み~んな間違いです。




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前回もアップしたこの画像。
こうやってみてみると、どうしても手前のブロックタイプのギヤ板は
奥の通常のピスト用ギヤ板から一つおきにギヤ歯をカットしたもののように
見えます。

だとしたら・・・
偶数歯しか成立しないことになります。
(不規則になるのを気にしなければ奇数歯もあり得ますが)

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リヤの小ギヤですが画像を見ていただくと奇数歯が存在することがわかります。
歯数は7Tと9T。

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もちろん、小ギヤだけでなくチェンリングにも奇数歯が存在します。
これは歯数が23Tのもの。
このチェンリングがどこのメーカーの何と言うグレードのものか
お分かりになる方は・・・かなりの方かと思います。
かなりというのは「ベテランサイクリスト」か「変態」のどちらかかと(失礼)

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理由は簡単なんです。

まず偶数ギヤから間を一つおきにカットしているという先入観を
捨ててください。

チェーンで言えばギヤが入る間隔が長い部分とギヤとギヤの空間に
入る(のる)ブロックの部分が1セットになっていて
「長短1セット=1歯数」というふうにお考えください。
「長短1セット×歯数」ということなので偶数歯だけではなく奇数歯も
普通に存在するわけなのです。

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26日も朝バンク練習に行ってきました。

今日は参加者が多く、3グループでの周回練習となりました。
画像は天狗党(並グループ)を外側(右)から抜いていく
天狗党(上グループ?)

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周回練習中の様子。
周回練習とは先頭交代をしながら最後は競輪競争となる練習方法。
画像はまだ序盤でスピードもそれほど速くはないので
リラックスムード?

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バンク走行中の様子を並走してイン側から撮影したところ。
バンク外側のフェンスの傾きから推測できるかもしれませんが自転車は
実際にはもっと傾いて走行しています。

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若い衆は元気が良いしスピードがある、もう10歳若ければ?(笑)

この記事では皆さんがあまり接することのないと思われる通称、ブロックタイプという
駆動系を見ていきます。

その1では
「通称ブロックタイプといってもブロックタイプだけではなくローラー式もある」
ということを検証したのですが名称は、やはり、比較的浸透していて、
なじみ深いと思われる「ブロックタイプ」のままで進めていきます。
(※私の間違いなどお気づきの点がございましたら遠慮なくご指摘ください)


以前の記事で・・・下記のように書きました。
今回はその中でも①について見ていきたいと思います。




この駆動系、ほとんど実物を見たことがない人が多いせいか
①普通のギヤから一つごとに歯を削ったものとか、
②だから偶数歯数しかないとか、
③外国製品しかないとか、
あるいは通称がブロックタイプと呼ばれるように
④ブロックタイプのチェーンしかない、とか、
良く言われますが①~④み~んな間違いです。




イメージ 1

ブロックタイプのギヤ板と普通のピスト用ギヤ板の比較です。
もちろん手前がブロックタイプ(カンパ製)、
奥が通常のピスト用ギヤ板(杉野製)です。

こうやってみると・・・・
たしかに奥の通常のギヤ板から、ひとつおきにギヤ歯を取り除いた
だけのように見えます。

ここでサイズ表示を振り返ってみましょう。
通常のピスト用のサイズ表示は1/2×1/8ですね。
ブロックタイプは1×3/16というサイズになります。
前半がチェーンの長さ方向の表示ですからブロックタイプは1インチに
一つギヤ歯があるということになります。
そこで普通のピスト用ギヤ板の表示を見てみると1/2でしたよね。
ということは普通のピスト用ギヤ板は1インチ(25.4㎜)に二つのギヤ歯が
あるということになります。
「そうなら、やっぱり、ブロックタイプは二つのうちの一つのギヤ板を取り除いたものか?」
という声が聞こえてきそうですが、ここでは結論を出さず次に進んでみたいと思います。

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方向を変えてギヤ板の厚みを見ていただくと違いは一目瞭然。
右から多段ギヤ用の3/32、
中央が競輪選手などが使っている1/8のサイズ、
左のブロックタイプは3/16というサイズで
厚みが、こんなに違うのです。

「なるほど、横から見てもわからないけど厚みがこんなに違うんだ」
と、納得していただけるでしょうか?

でも、ここで、
「ブロックタイプの駆動系について、その1」についてよく読んでいただいた方は
「ブロックタイプチェーンにも厚さが1/8のものがあると書いていたではないか?」
「そちらは(ブロックタイプの1/8ミリ幅)、どうなのか?」
と言われる方が見えるかもしれません。

おっしゃる通りです。
残念ながら1/8サイズのブロックタイプのチェーン、チェーンリングは手持ちが
ありませんが1/8サイズのリヤの小ギヤのサンプルが手元にあります。
「同じ1/8幅であるのならブロックタイプの小ギヤは通常のピスト用チェーンで使えるのではないか?」
という考えがわいてきます。

それが出来るのであれば・・・
普通のピスト用チェーンを使って1/8サイズの小ギヤを使い通常のピスト用ギヤ板から
一つごとに歯先を削り取ればという方法もありそうです。
そこで、試してみると「残念ながら使えません」

それは、なぜでしょうか?1/8のギヤ歯が厚みは問題ないのに普通の1/8幅
のチェーンには歯先が先端しか入らないのです。
繰り返しになりますが幅は問題ありません。

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そこで、最初の画像をアップして見直してみましょう。
手前のギヤ歯と奥のギヤ歯の形状をよく見比べてみてください。
歯先だけではなく歯の根元まで手前のブロックタイプは左右に力強く
幅広いことがお分かりいただけると思います。
(これ以外にもメーカーによって若干、形状に違いはあるものの)
この向きで見た幅が広く作られている分、1/8サイズのチェーンの間隔に
おさまらなかったのです。

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ここで、もう一度チェーンの画像も見てみましょう。
左から5,6段時代の普通のロードチェーン、
中央はピストレーサー用のチェーン
そして一番右がブロックタイプのチェーン。
チェーン幅のサイズ表示は
左から3/32、1/8(4/32)、3/16(6/32)となります。

わかりにくいかもしれませんが左の二本のチェーンは、どこをとっても
ローラーの左右の間隔が同じに作られています。

それに比較すると一番右のブロックタイプのチェーンはピンの間隔が同じ
ではないこと以外に隙間が全然違うのがお分かりになると思います。
この幅広い部分にブロックタイプのギヤ歯が、かみ合うようにできているわけです。

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二枚の画像でギヤ板、小ギヤがチェーンにかみ合っている様子をご確認ください。

さて、くどくどと書いてきましたが(わかりにくくてすみません)
その厚さ(左右の幅)だけではなくブロックタイプのギヤが普通のギヤから、
一つおきに歯を取り去ったものではないことが
ご理解いただけたのではないかと思います。

※つづく

前回の記事で・・・下記のように書きました。

この駆動系、ほとんど実物を見たことがない人が多いせいか
①普通のギヤから一つごとに歯を削ったものとか、
②だから偶数歯数しかないとか、
③外国製品しかないとか、
あるいは通称がブロックタイプと呼ばれるように
④ブロックタイプのチェーンしかない、とか、
良く言われますが①~④み~んな間違いです。


なかでも④ブロックタイプのチェーンしかない、とか間違いです。
と書いたんですが・・・
今回からの記事は、やはり、なじみ深いと思われる「ブロックタイプ」の
名称をあえてタイトルにしていくことにしました。


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さっそく、ブロックタイプのチェーンの画像です。
よく見ていただくとプレートで挟まれた部分が、一つの塊になっている
ことがお分かりになるかと思います。
この形状からブロック、ブロックタイプチェーンと呼ばれるように
なったものだと思われます。

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このチェーンをご理解いただくためにまず見ていただきたいのがこの画像。
プレートの両側を「かしめ」ているピンのスパンとプレートとプレートの
間をつなぐ「ブロック」の両側のピンの寸法が違うことがお分かり
いただけるでしょうか?
通常の自転車用チェーンは、どこをとってもピンとピンの間隔は12.7ミリ
ですが、いわゆるブロックタイプのチェーンはピンとピンの間に2種類の
間隔があります。

そして短い間隔と長い間隔が一組になり、この寸法は25.4ミリで
作られています。
ですから、いわゆるブロックタイプのチェーンは短い間隔と
長い間隔一組の寸法で「インチピッチ」とも呼ばれているようです。

ともかく、このタイプのチェーンは短い間隔と長い間隔一組で
考えなければいけないのです。

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ブロックタイプのチェーンの、もう一つの特徴です。
それは、この画像でご説明します。

このチェーンは左から
5,6段時代の普通のロードチェーン、
中央はピストレーサー用のチェーン
そして右端がブロックタイプのチェーン。
(実はローラー式ですが・・・いわゆるブロックタイプと同サイズ)

チェーン幅のサイズ表示は左から3/32、1/8、3/16となります。
わかりやすく分母を揃えて書き直してみると3/32、4/32、6/32です。

改めて書くまでもありませんが、これはイギリス式のインチサイズ表示なので
1インチ=25.4ミリを基準に表示しています。

ざっとミリに換算すると2.381㎜、3,175㎜、4.763㎜となります。
こうして比較してみるとブロックタイプのチェーン幅がロード用チェーンの実に
倍のサイズになっていることがわかります。

少し話がそれますが私が知る限りでは、このサイズのチェーンは既に
100年以上前からあったようです。
変速機が発明され多段ギヤを装備する前の競技用自転車(シングルスピード車)
には、結構装着されている例を見かけます。
また東京オリンピックの写真集を見てみるとタンデム車(ピスト競技用)には、
このブロックタイプチェーン用のギヤ板が装備されているのが確認することが
出来ます。
(実際に使われていたのは、この時代ぐらいまでのようです)

古い時代に、現在のピスト用より幅広く丈夫なチェーンを使っていたという
ことがわかります。
あるいは、ずっと昔は材質、製造方法などに、まだ問題があった為、
このぐらいの幅が必要だった?ということも考えられなくはないと思われます。

ただ、このブロックタイプの駆動系ですが一部には幅が少し狭いものも
存在していました。
残念ながらチェーンのサンプルの手持ちはなく画像はありません。
先日、岐阜のN氏に伺ったところ、このブロックパターンの
チェーンで1/8サイズのチェーンとシングルフリー(固定ギヤではない)も、
お持ちでした。
ちなみにチェーンはレジナ製でした。

固定ギヤではないシングルフリーもあることから、やはり多段ギヤの時代以前は
このブロックパターンのチェーン形式はピスト競技専用ではなく一般路上でも
普通?に使われたということが推測されます。
ただ、何度も言う通り変速システムとは相性が悪いので外装変速機が出てからは
消えていったものと思われます。

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そして、やっと④の回答。
いわゆるブロックパターンのチェーンですがローラー式のもの。
ローラーとローラーの間隔が広いところにギヤに刃先が入りますが間隔が狭い
ところには歯先が入らないことがお分かりになると思います。

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これはブロックタイプのチェーンですが、このようにギヤ板と組み合います。
ピンとピンの間隔の広い部分に歯先がかみ合い、歯先と歯先の間隔の広い場所には
ブロック部分がかみ合うようになっています。

今回の結論(笑)
日本では一般的にブロックタイプと言われる駆動系ですが
その呼び名の元になったと思われるチェーンにはブロックタイプだけではなく
ローラー式のものもあった。


※私の間違い、お気づきの点がございましたら遠慮なく、ご教授、ご指摘ください。

12日はピストレーサーを2台積んで朝バンクに
出かけたことを書きました。

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今日の一番の目的は・・・
若い連中はもちろん、ほとんどの選手が興味もない?というか
見たこともない「60年代の駆動系を組んだチネリで走ること」

もちろん、集団トレーニングにも参加したいので、いつものレーサーも
積んでいます。
(古いレーサーは貴重なので落車の可能性が多い集団走行では使わない)

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今日、乗ったチネリ スーパーコルサのピスト。
このチネリ、1970年代中頃、友人が入手したものをフレームのみで
譲り受けたものですが昨年の旧車ミーティングで諸先輩方から1960年代の
可能性もあるという嬉しい鑑定をいただきました。

余談ながら以前は見た目重視のセッティングでしたが今回乗る為に
ステム(ハンドル)を15ミリほど上げておきました。
極端に前下がりのピストステムをかっこよく見せるセッティングは
ある程度のフレームサイズがないと難しい?

またペダルがビンディングなのは限られた朝の競輪場利用時間で複数の
ピストレーサーに乗るので靴の履き替え時間などを短縮する為。
というか足を止められない固定ギヤではビンディングのほうが便利なんです。
(トウストラップを締める際も固定ギヤでは足が止められないので)

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ずっと使ってみたかった1960年代のピスト用駆動系・・・
「フレームが1960年代の可能性がある」のなら1960年代に使われていた
駆動系を組み込んでも良いのではないか?と思い付き、組み変えて
今回、朝練習に持って行きました。
(東京オリンピック写真集に、この駆動系を使ったピストが見られます)

今回自分が使っている組み合わせ
チェンリングはカンパニョロ、
チェーンメーカー不明、
リヤ固定ギヤは三光舎。

また、チェーン長が長く見えますが、このタイプのチェーンは今となっては
非常に希少の為、安易に切ったりしにくいので、とりあえずのセッティング。
ちなみにギヤ歯数は26T×8Tでギヤ比は3.25。
これはチェーンの長さが、そのまま使えるように手持ちの部品の歯数から
決めたものなのです。

イメージ 4

使ってみたかった駆動系、通称、ブロックタイプ。
今回は特に書きませんが画像をよく見ていただくと、このチェーンを
ブロックタイプと呼ぶ意味と更に特異な点が、お分かりになるかと
思います。

ブロックタイプの他にはスキップチェーンやインチピッチといったり、
昔のヨーロッパの印刷物を見ると「1"×3/16"」サイズと表記しています。


この駆動系、ほとんど実物を見たことがない人が多いせいか

①普通のギヤから一つごとに歯を削ったものとか、
②だから偶数歯数しかないとか、
③外国製品しかないとか、
あるいは通称がブロックタイプと呼ばれるように
④ブロックタイプのチェーンしかない、とか、

良く言われますが①~④み~んな間違いです。

自分もそれほどサンプルを持っているわけでも特に詳しいわけではありませんが、
わずかな経験の中からでも気が付いたことを、
いずれ記事に書いてみたいものです。

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