↑今回、クリーニング、カスタムの依頼を受けたのはイタリアのダコルディというフレーム。ダコルディ社は日本ではあまり知られていませんがイタリアでは結構な規模の会社のようです。今回のフレームはダコルディ社の50周年記念に販売されたモデル。調べてみるとダコルディ社の歴史は長く1937年創業とのこと。ということは1987年~に販売されたということになります。
このフレーム、実は行きつけのショップさんに当時、吊るされていたのを見ています。カッコいいフレームだなぁ、と当時から思っていましたが私にはサイズが、わずかに小さかったので購入の選択肢には入りませんでした(笑)
そして、結局、このフレームはチームの後輩が購入しました。後輩は、もと国体選手で趣味性の高い、このフレームをトレーニングからレースまでガンガン乗っていたのを覚えています。
その後輩も、時代の流れでカーボンのフレームに乗り換え、このフレームのことは、すっかり忘れていたのですが今年になって、また乗りたいと相談を受けました。1987年のフレームですから当時のカンパ コルサレコードなどで組めば素晴らしいヴィンテージレーサーになると思いましたが後輩に、そういった趣味はなく「あくまでトレーニングの一環として乗りたい」(後輩は今もピストレースに参戦している)、「時代考証は無視して手持ちの部品で組んでほしい」ということでした。その為、彼がかつて乗っていたカーボンフレームの9速時代のシマノを中心に組み付けることにしました。
↑ヘッドのステッカーには「DACCORDI」、「50ANNI」などの文字があります。
↑ヘッドラグはシンプルなカットで丁寧な仕上げ。メッキされています(撮影時は少しサビ落としをした後)。メッキと言えば一番最初の画像のように各部にメッキが施されており記念フレームらしく特別感を盛り上げていますが、長年の使用と手入れが悪くサビの発生があります。これが綺麗に補修できるか・・・。そしてトップチューブにも50周年のステッカー。
↑シートラグの前方には50周年記念のバッジ(ここだけはステッカーではなかった)、シートステーのフタにも「50」の文字。パイプはコロンバスのSLXが使われているようです。
↑フォーククラウン?はエアロタイプで(肩の張りのない超なで肩?)、ここにも「50」の文字が刻印されています。本来、金色のペイントが入っていたようですがサビが出ていたので私がサビ取りの後、サビが目立たないように黒いペイントを入れています(かなりヘタクソ。この後、若干は修正したけど)
↑シートステーブリッジのブレーキ取り付け部分に「50」の文字。メッキ部分にかなりサビが発生していることがわかると思います。
↑BBラグの左側には「DACCORDI」の文字があり手前の右側にはシリアルナンバーらしき数字がありました。「10×」の文字がありますが(あえて一文字は消しています)、この50周年記念モデルが何本製作販売されたかはわかりません。このフレームのナンバーから見て100本以上作られたのは間違いないと思うのですが。
↑ピンボケですみません。BB下には三本のスリットが切られていました。FDのワイヤーリード周辺はワイヤーで擦られて溝状になっています。酷使されてことがわかりますね。
↑リヤブレーキのワイヤーはトップチューブに内蔵されています。この工作からも記念フレームらしく凝った作りのフレームだということがわかります。
↑カンパのショートロードエンド。画像はサビついたホイール位置を決めるネジを苦労して取り去ったところ。ボルトはダメになったけど何とかフレーム側のネジは活かすことが出来たのは幸いでした。
さて、この後、メッキ部分のサビを落としてペイント部分のキズをタッチアップ(傷の補修)、コンパウンドで磨いて仕上げていきますが・・・その前に重大な問題が発覚!!
コメント